タマちゃんの毎日
DiaryINDEX|past|will
そろそろ姉の命日がやってくる。 遺影の姉を見上げる。いつものように、20歳の姉が微笑んでいる。
去年の姉の命日、不思議な事がおこった。
ぐっすり眠っていた私は夜中に妙なうめき声で目が覚めた。横で主人がうなされている! 「ぐわぁぁーーー!ぐうぇぇぇーーー!」 驚いて、主人を起こす! 「だ、大丈夫!?どーしたん!?苦しんんん!!!しっかりしてー!」 ビックリした様子で主人が飛び起きる。 「ヒロネェがわしの腕をわしづかみにして離さんのんじゃ!わしがこえーから止めてくれーって言ったら、家族をお願いしますってヒロネェが言って、消えてしもーた。」 えっ?
そして、次の朝。 母が目を赤くして起きてきた。 「昨日の夜。ヒロちゃんが会いに来てくれた。白い着物を着て、枕元に座って、親不孝でごめんなって言った。思わず握り締めた手があたたかかった。綺麗な顔をしてた。」涙ぐみながら母が言った。
姉は生まれ変わったのかもしれない・・・。 家族皆が疑わずそう思った。
母と私で姉の墓参りへ。 「今度こそ長生きするんよ」母がつぶやく。 心のどこかで、いつも姉が見守っていてくれていると思っていたので、少しだけ寂しさが込み上げてくる。
きっと、丸々と太ったおめめパッチリの男の子の赤ちゃん。ぼんやりと姉の新しい人生を想像する。 あの世の事は生きている私に分かるはずが無い。時間が止まってしまった姉と前進し続ける私。話すとこも触れることも出来なくなってしまった姉への想いを自分勝手に色づけしているだけだと充分わかっている。
今年の姉の命日に、母がお寿司をおごってくれるらしい。 家族の想いがどうか姉に届きますように。 『みんな元気だから、心配せんでええよ。』
|