離れていくものを繋ぎ止めようとは思わない。 けれど胸に痛みが走る。 心なんて形のないものだけれど、それでも体に痛みは走る。
そう仕向けたのは私。 その行動を取らせたのは私。
何かが割れる音がしました。 そして私に何かが突き刺さりました。
粉々に砕け散ったカケラは、全てを集める事は出来ません。 元に戻そうとしても、何かが足りない。 水を入れると、ぽたぽたと下にたれてゆきます。 そしてそのまま真っ暗な闇に吸い込まれて、二度と戻ってはきません。
私は粉々になったカケラが風に吹き飛ばされてゆくのを、ただ見つめるだけ。 風に「ありがとう」と「さよなら」の言葉を乗せて。 決して届きはしないその言葉を。
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