ひどい風。ひどい雨。 陋屋の近辺の高速道路は全て通行止めだそうだ。 デンシャはかろうじて動いているものの、そこまで行くのに バスがない。 と、MILETが言ってた。 バスやらデンシャやらには乗ったことがないので それがどれほどのことなのかは俺様には分からない。 だが、高速道路が使えないというのは確かに大した問題だろう。 俺様は生まれて初めて、こんな嵐にあったような気がする。 なんでも、陋屋付近以外は大雪だそうだ。 ということは、噂に聞く吹雪というヤツなのだろうか。 MILETとその相方は今日は「オフ会」とやらに行くはずだった。 …俺様を差し置いて出かけようとしていたらしい。 天罰だな。この天気は。 先ほどテレビを見ていたら、突然画面が暗くなった。 MILETはスイッチをぱちぱちしていたが、事態に変化はない。 MILETの相方がテレビ局に電話してみると停電との話だった。 電気はすぐにも復旧して、テレビが元に戻った。 「電話までやられなくて良かったよ。去年の夏は電話線、切れたからね」 MILETが安堵のため息をもらした。 夏、確かに落雷がひどかった。 一度など、MILETの仕事中に雷が落ちてMacのデータが一瞬にして 消えたことがあった。 俺様は傍でずっと「そろそろ来るぞ」と警告していたのだが… 俺様の言うことをきかなかった結果、MILETは徹夜した。
さて。 明日にはこの悪天も終わるらしい。 天気が回復するというのだが… MILETは今日、本当に出かけたかったらしい。 いい気味だと思っていたのだが、あまりにもがっくりしているので なんだか気の毒になってきた。 膝の上にでも乗って、慰めてやることにする。
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