みなさんはどんな食事がお好きだろうか。 俺様は意外かと思われるかもしれないが ドライフードが好きである。 あの歯応えが、堪らなく好きなのだ。 それに、鰹節をまぶしていただければ申し分ない。 だが、どんなフードでも良いというわけではない。 俺様はこう見えても食事に関してはストイックだ。 缶詰のフードもたまにはよいが、いつもでは飽きる。 仔猫の時、さんざん食べたからかもしれない。 その所為で、今や人間どもが缶詰の蓋を開けるたびに ついつい、期待してしまうようになった。 俺様用の缶詰は人間どものものより、 数倍値が張るらしい。 ま、あんまり食べないから、どうということはあるまい。 話を元に戻そう。 俺様は「ヘアボールコントロール」用なるドライフードは 嫌いである。 なんでも、普通のものよりかなり高価だということだが、 あの味でそんなに高いとは暴利も良いところだ。 まずい、臭い、歯応えが悪いの三拍子が揃っている。 なんでそんなものを、俺様が食べなければならないのだ? 答えは俺様の胃にあるようだ。 俺様は、元々胃弱である。 医者がいうには「神経性のもの」だそうだ。 俺様が柄に似合わず繊細だと、あの医者は悟ったらしい。 余計なことをMILETに言ったものだ。 おかげで、俺様はくそまずい飯を食う羽目になった。 陋屋近辺では、幸いにも「ヘアボールコントロール」は 売っていない。 食料が底をつくと、近所のスーパーやコンビニで 俺様の食事を用意することになるのだが、 その時は俺様の好みにあったドライフードを購入する。 「売ってないのだから、仕方ない」と言い訳しつつ、 MILETは俺様に食事の支度をする。 俺様の好きなフードは「ヘアボールコントロール」の 半額だ。 安くて旨いのだから、そっちにして貰いたいものだ。 俺様の健康を気遣ってくれるのは結構なことだ。 だが、俺様の好みにも気を遣ってもらいたい。
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