今夜、俺様は独りだった。 MILETの相方が帰宅した後、MILETを伴って 出かけてしまったからである。 いつもなら一緒に夜のドライブと 洒落込むのだが… 先日の一件以来、MILETの相方は俺様をクルマに 乗せようとしないのだ。 仕方ない。 ほとぼりが冷めるまで、大人しくしているか。 しかし、思ったよりも二人の帰宅が遅かった。 大人しく寝ていたのだが、 腹は張るわ、寒さは身に染むわで、散々だった。 腹いせに、一暴れすることにした。 部屋中を駆け回り、ピアノの上に飛び乗る。 MILETの相方の腹の上を掠め飛び、 顔の真横に着地した。 驚いて身をすくめるヤツを眺めるのは、 なかなか楽しい。 俺様は次なるイタズラの材料に夢中になっていると、 ヤツが突然、布団の中から手をつきだした。 不覚にも、今度は俺様が飛び上がってしまった。 それを見て笑うので、俺様はいきり立った。 しかし、そこにMILETが入ってきたのだ。 ヤツは俺様の驚きぶりを大げさに言いつける。 MILETはニヤリと笑うと、俺様を見た。 「いいねぇ、遊んでもらってるの?」 そうじゃない。勝負しているのだ。 だが、MILETの間抜けな誤解に、俺様の戦意も 消失してしまった。 今夜はここまでにしておくか。
|