午前中は酷い天気だった。 春の嵐とは、あのことだろう。 思っていたよりも気温は上がらず。 さて。 こんな日は大人しくしているに 限る。 今日は久しぶりにクルマに乗った。 前はキャリーバッグに入ったまま、 クルマで移動と言うことはなかった。 だが、今日からはそれが新しいルールだ。 キャリーバッグは窮屈だ。 そう思ってはいても、ルールには初めは 従っておくことにする。 ルールとは破るためにあるモノだ。 だが、破るタイミングも心得て置かねば。 闇雲に破ってみては、逆効果である。 こんなルールを作ったことを後悔させる。 そのためには、タイミングを見計らう方法を 憶えるべきなのだ。 さて、そんなわけで今回は大人しく従った。 MILETは相方に 「TITAN2がもっとくつろげるようにしなくちゃ」 と、さかんに言っている。 このキャリーバッグは俺様がまだ赤ん坊のころに 買った物である。 窮屈なのは当たり前だ。 「サークルか何かをしつらえようよ」 MILETが更に言った。 「そこを陛下専用ルームにしてさ。ね?」 相方に色目を使うあたり、さすがは俺様の選んだ 人間である。 相方は曖昧な返事をしているが、この夏には 俺様専用スペースを、車内に設けることに なるだろう。
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