午前中、どんよりと曇っていた。 今にも降り出しそうな空だ。 それなのに、いつでも頭がピーカンな MILETは洗濯物を外に干していた。 案の定、雨に降られる。 ねじが二、三本抜けているに違いない。 雨の降る空を、俺様は見上げてみた。 濡れるのは勘弁だから、 出窓から、だったが。 見上げてみると、一直線に地面に向かって 雨粒が落ちてくるのが分かる。 自然界に直線や直角は無いという輩がいるが それは大きな間違いというものだ。 自然にないものを、人間どもが 創造できるというのは傲りにも程がある。 その点、俺様はいたって自然に対しては 謙虚な気持ちを忘れない。 本当の支配者というものは、 自然を支配するもののことではない。 自然を味方にすることが出来るものが、 真の支配者であり、王なのだ。 俺様はそうなるべく 努力を怠らない。 俺様は観察と実験が、自然を理解する方法だと 承知している。 これからも自然を見続けることにしよう。 ところで、MILETには曇天と雨は付き物だと 教えてやった方が良いだろうか。
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