スナックおのれ
毛。



 ワインの栓。

それまで、ぎりぎりと往生際悪く
なかなか抜けなかったワインの栓も、
最期の最期には観念して、
ぬるぬるとじんわりスルッと抜けていく。
人の魂が抜ける瞬間も、
そんな感じで、
やけに素直で静かだと思ったら、
そこには、
さっきまで人間だった重く生ぬるいものがあるだけだった。

2025年10月17日(金)
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