「真実の鏡」
あなたがなにかに夢中になってそれを楽しむことで頭が一杯になるのはいいがもしそのことで私と過ごす時間をどうでもよいとか後回しにとかそう思い始めているのだとしたらそれと同じ勢いで私もあなたと過ごす時間に興味をなくすでしょう。もしあなたが私と過ごす時間を裂いてでもなにかに夢中になるのだとしたらそれはあなたの興味を引きとめておけなかった私のせいかもしれない。人は鏡。映したものが真実。
「無形涙」
比較的、平穏な粒に混じる甲高い響音。跳ねる。戻る。掠れる。
「空へ微笑む」
水を落として形を鮮明に。風が奪ってゆく世界を瞬く。予測していたものと違ってはいても私達は悟られぬよう笑うだけだ。なにより真実が知りたいと思う。