段階を経て下り行く太陽。 目の前で輝く月の暗示は 白ではなく沈黙となる。
人の集まる温かいところ その割れ落ちた綿毛から 砂へと伝わる微かな音を 指先で捕らえては また一つ巡って 輪は閉じる。
目に見えることを信じないで 目に見えないことを望まない。
私と貴方は 隔絶された壁の向こうで 声のみを響かせて 互いを確認した。
いつの日か 今、自分のいる場所も すべて空気に溶けて 心さえ消えたら 誰かとに語るのもいい。
そうして混在するだろう 二人の距離に 私はいま少しだけ想いを巡らす。
それは月の暗示。
|