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2005年06月29日(水) |
李白の会 第六回定例会@上野 純喫茶丘 |
何年か前の「東京人」喫茶店特集号で、この入口の写真と店名と住所だけが掲載されていた。店内の様子やメニューについては一言も触れられていなかったのだが、どうにも気になって記憶に残っていたので行ってみる。
行ってみてわかった。この入口が全てだ。
このステンドグラスとシャンデリアに少々びびりながら降りて行った地下の店内は、ふつー。メニューも、ふつーの純喫茶。例によってナポリタンを食したのだが、ハム玉ねぎピーマンでケチャップオンリー、極太麺の王道。クラフトの粉チーズとタバスコが添えられ、フォークは紙ナプキンでくるまれている。同行の人のサンドイッチも、ふつーに手作り。コーヒーも、煮詰まり気味のが大振りのカップにたっぷりと。食事とコーヒーのセットで840円。ああ、値段までふつーだ。
特に美味しいというわけでもなく、びっくりするほど変わったメニューがあるわけでもなく、アメ横あたりの商店主が日々ふつーに休憩したり食事したりしている店であった。ただ入口だけがアレで。ちなみに看板に「MUSIC」とあるが、特にBGMはかかっていなかったように思う。
梅雨の中休みにしては強烈な真夏日、じっとりと汗の吹き出す日曜日、日傘をさしてさあ散歩だ散歩だ。お茶会の面子と、「お茶を飲まないお茶会」だ。でもアルコールは飲む。
はじめて足を踏み入れた六本木ヒルズ。 ずっと行きたかったシンガポールチキンライスのお店。 麻布十番の鯛焼き屋さんで氷レモン。 エール熱はまだ醒めやらず、新宿でブリティッシュパブ。
楽しい日曜日。でも一番楽しかったのは、通りがかりに吸い寄せられるように入ってしまった「麻布十番寄席」だ。六本木方面から麻布十番に一歩入ったところで商店街のアナウンスが私達を迎えた。
| 「本日2時半より麻布十番寄席を開催します!…筋肉漫談のぶるうたす…モロ師岡…わっかるかな〜わかんねえだろうな〜でお馴染みの松鶴家千とせ…どうぞご来場下さい!」 |
そのアナウンスを聞いただけで腰がくだけた。なんて素敵なラインナップなんだ。見に行くしかないじゃないの。同行の人たちに強く主張してみる。もし却下されたら一人で見に行ってあとで合流しようかと思ったけれど、めでたくみんなで見に行くことになる。木戸銭は1000円で、なぜかコップワインが一杯サービスされる。ぶるうたすの大胸筋ぴくぴく、モロ師岡の何ともいえない「間」、千とせ師匠のシャバダバイェ〜、全部生で見たのだ。私は幸せだ。
2005年06月25日(土) |
わっかりやした、おやかた〜 |
職場の同じフロアで内装工事をしていて、ここ何日か壁でも塗っているらしくて強烈なシンナー臭が漂っている。みんな気分が悪くなってぐったりしながら仕事をしている。昨日はたまたま終業後に定例の会議があったので、皆でぶうぶう文句をたれる。問い合わせてもらったら、工事はこの週末で終わるとのことで一安心だ。ほっとしたので「スタッフ全員がラリラリでレファレンスを受けたら利用者の反応はどうだろうか」という話題で盛り上がる。
私はこういう臭いを嗅ぐと無条件にスネークマンショウを思い出すように刷り込まれているので、「シンナーに気をつけて壁ぬんな〜」などと呟いてみるが、他のスタッフには年齢と通ってきたカルチャーの違いによってわかってもらえなかった。「わっかりやした、おやかた〜」という返事を期待したのだが。唯一即答してくれそうだった上司が昨日は外出していたので、とても寂しい思いをしてしまったのだった。
なぜか今週は盛りだくさんだったので日記が追いついていないぞ。火曜日には目黒シネマで「ロング・エンゲージメント」を観たんだった。
「アメリ」を観た時から疑問なのだけど、この監督とこの女優さんの組み合わせは、どうしていつも「オシャレ素敵映画」の路線で語られるんだろうね。まあ確かにオシャレでキュートな部分もあるにはあるが、アメリは変な育てられ方をしてメンタル面に問題のある女の子の話だし、ロング・エンゲージメントは第一次大戦の描写がリアルでちょっとびびるし。ロマンチックなふりをしていきなり現実を突きつけるのはフランス映画らしいといえばいえるか。うん。
木曜日は、南の島に住んでいる友達が東京に里帰りしているので、有休を取って会いに行く。約2年振りか。0歳と2歳の息子たちの顔も拝めたし、よかったよかった。男の子二人ってことは、10年後には一日一升くらい飯を炊かねばならんぞ、などという話をして友達を怯えさせる。私の従兄弟で二人兄弟の家があるのだけど、彼らが高校生くらいの頃、叔母さんは「ご飯をつくってもつくっても、つくったのが夢だったかのようにすぐになくなってしまう」とこぼしていた。
小さな子供を抱っこしたりする度に思うのだが、自分の2倍くらいの大きさの人に抱かれたりおんぶされたりして、しかも絶対守ってくれるってわかってるなんて、羨ましい限りだなあ。5メートルくらいの人がいたら抱っこしてほしい。
錦糸町のすみだトリフォニーホールというところで、「京極噺」を観てきました。すべて京極夏彦氏の原作で、神田山陽の講談、春風亭小朝の落語、そして茂山家の狂言が楽しめる、お得なイベントでした。 私のお目当ては、やはり茂山家。いや笑った笑った。死神のキャラクターが、リリパットの時の中島らもそっくり。今思うとリリパットアーミーって、中華活劇と狂言が融合していたような気がする。茂山家の伝説の「唐相撲」を見に行ったことがあるのだけど、あれなんてほんとらもさんやわかぎえふさんが混じってても違和感ないような感じだものね。
神田山陽さんは教育テレビの「にほんごであそぼ」でしか見たことがなかったので、首から机をぶら下げて出てくるのかと思ったけどそんなわけはないな。講談にまつわる話が珍しくて面白かった。講談師は全国で47人しかいないんだって。ちょっと本物の講談が聴いてみたくなったけど、どこに行けばいいんだろう。たぶん浅草とか上野に行けば定席があるのかな。調べてみよう。
神田山陽さんの講談と、春風亭小朝さんの落語を聴いて思ったこと。どちらもすごく面白いし流石は一流だなあと感心するけれど、やっぱり私は茂山家の狂言にいちばん笑いのツボを押される。それはたぶん「スピード」なのかなと思う。ホールがクラシック音楽用でエコーがかかりすぎるっていうのも原因かもしれないけど、山陽さんと小朝さんは江戸言葉だし猛スピードだしで、私にとっては聞き取るだけで必死だった。やはり茂山家ののんびりした「ほっといてくれぇ〜」って方が、速度として馴染める。東京に20年暮らしててもそうなのね。
職場が30階に引っ越してから約2ヶ月。身体はなんとか慣れてきたが、さすがに直通エレベータはちょっと辛い。カップヌードルだとかスープパスタだとか、密閉されたパッケージのものを買ってエレベータに乗ると、20階を過ぎたあたりでペコリパコリと音がして、目で見てもわかるくらい容器がふくらんでいる。登山なのか。潜水なのか。この圧のかかりっぷりは。
窓から都心のビル群を眺めていて思ったこと。
| ■NECのビルの、まんなかのぽっかり開いたところにはぴったり嵌るリモコンのようなものがあって、カチッと音がするまで差し込むとどこかで何かが起動するに違いない。 |
| ■六本木ヒルズの2本のレジデンス棟は、なんとなく杭のように見える。地面の下は先細りになってて、グサって差してあるだけなんじゃないか。 |
| ■堤氏最後の執念、東京プリンスのパークタワーは、引き抜いてぐるぐる回すと万華鏡になると思う。 |
| before |
| after |
6月19日の夜8時から10時まで、全国の大規模ビルやランドマークがライトダウンされたそうである。省エネとか温暖化問題とか、そういうことの一環らしい。公式には「ブラックイルミネーション2005」というのかな。
で、8時に東京タワーがよく見えるところに行ってみた。ま、灯りが消えるだけなんだけども。週末一歩も外に出てなかったし、近いし、暇だし。あんまり近くまで行くと、何やらイベントが催されていて鬱陶しそうだったので、赤羽橋付近の路上から見物。後でニュースで見たら、やはり増上寺あたりのイベントではカウントダウンなどして「消灯!ヒューヒュー!」などと騒いでいたらしい。ああ行かなくてよかった。そのイベントに使う電力のことはどうなんだろう。
2005年06月16日(木) |
ワインのようなビール |
新宿でベルギービールの会。シメイやヒューガルデンといったオーソドックスな銘柄から、フランボワーズ系の健康酢飲料のような味のもの、漢方薬の香りのするもの、ラベルにピンクの象が描かれ幻覚を見るというもの、などを堪能する。そして大量のムール貝とフリッツ(フライドポテト)。ムール貝は巨大でぷっくりしていて、いくらでも食べられる。フライドポテトはベルギーが発祥の地だそうである。…って威張るほどの料理でもないような気がするが。芋を調理しようとするとき、まあ大体煮るか蒸すか揚げるかだろうし。とはいうものの、さすがに揚げたてのそれは大変旨い。ファストフードとは比べ物にならない。比べちゃ失礼か。
珍しいビールと美味しい料理でみなすっかりいい気分、延々とくだらない話をする。くだらない話なのでよく憶えていないが、ビールのラベルに描かれたピンクの象と、西荻商店街のアーケードに何故か吊るされているハリボテのピンクの象について盛り上がっていたような気がする。
ベルギーは葡萄を栽培できる北限を越えているらしくて、ワインがない。そのためか、ビールの作られ方や楽しみ方がまるでワインのようなのだ。小さな醸造所がたくさんあって、それぞれに全く味が違い、ラベルに意匠をこらし、専用のグラスで飲む。ハマると奥の深い世界だ。初めてベルギービールを飲んだのはたぶん10年くらい前で、下高井戸に住んでいた頃に行っていた店にあった。引っ越してからは近所のスーパーに何種類か置いてあるので時々買って飲んだりしている。
最近は年齢のせいか、ビールもラガーをごくごく飲むって感じじゃなくなってきて、イギリスのエールの魅力に取り憑かれたりしている。ベルギービールもここにきてすごくしっくり来るように思えてきた。大人のビールっていうか。私はワインが、特に赤ワインが体に合わなくて残念なのだけど、ワインが好きな人はきっとこういうハマり方をするんだろうなと思う。
そういえばベルギーとフランスとドイツの位置関係がよくわからないので世界地図で見てみる。なるほどー。ドイツってけっこう南の方までドイツなのね。だからワインが出来るのか。
2005年06月15日(水) |
あめにーぬれながらーたたずーむひとがいるー |
■何という歌だったかな。こどもの頃の歌謡曲。ていうか演歌? なぜか気に入って、よく歌っていたのを思い出した。10歳くらいだったと思うのだが、なんでまたこんな渋い歌が好きだったんだろう。
■昨日、二胡のレッスンの前にカラオケボックスで自主練してから行った。週末ずっと弾いていなかったので慣らしておこうかと思って。いつものカラオケボックス、厨房が工事中とのことで、いくつかの飲み物しか出せないから30分90円でいいと言う。しかも6時半までの入店だと無条件に一割引だって。一時間使って、缶の烏龍茶付きで払ったお金が160円。飲み物が120円だとすると部屋代は40円。なんだそりゃ。工事中くらい休んだらどうだ。そうもいかないのかね。
■最近、IEでhotmailにサインインすると必ずどこかでフリーズする。マイクロソフトさん、そんなにMacがキライなのですか。しくしく。うーむメッセンジャーからは直接受信トレイに行けたような気がするなあ、朧げな記憶だが。ってことで、OSXにした時にダウンロードしたまま何ヶ月も忘れていたメッセンジャーを、今さらながらにインストールしてみる。おお、一発で受信トレイに到達できる。早くやっときゃ良かった。
週末は大阪よりの客人を迎えて、さあ何して遊ぼうか。いつもなら美術館に行ったり映画を観たりするけれど、この時期もうひとつピンとくるものが無い。そうだ、品川プリンスの中に水族館やコースターなんかのアミューズメント施設がオープンしたんだった。うちからも近いし、水族館が大好きだからここにしようそうしよう。
土曜の午後2時頃、長蛇の列。入場待ち時間45分。どうする?と5秒くらい考えて、並ぶのはイヤということで意見の一致を見る。アイマックスシアターにでも行くか、そうしよう。ちょうど、なんとかかんとかアクアノート、というプログラムが始まるところだった。プログラムの内容はまあ置いておいて、ガラガラに空いていて気持ちが良い。
さて小腹がすいた。食事をしよう。たまたま前日にテレビで出石蕎麦の映像を観た人がいて、無性に出石の皿蕎麦を食べたいなどと言う。私の知る限りでは東京に出石蕎麦の店は無いと思う。百歩譲って出雲蕎麦ならあるぞ。じゃあそこに行こうそうしよう。そんなわけで神保町に移動。出雲蕎麦本家でわさび菜と板若布をつまみにそばビールを飲み、割子そばを食す。やっぱりうまいねえ。そばビールの瓶をよく見ると、これはアメリカで作っている発泡酒らしい。よくわからないが軽い飲み口ですこーし蕎麦の香りがする。
せっかく神保町に来たのだから美味しいコーヒーを飲もうと、神田伯剌西爾へ。地下に降りる階段のところがすごくいい香り。コーヒー屋さんに来たなあとしみじみする。一杯ずつ豆を挽いてくれるのでコーヒーも本当にいい香り。
なんだか私の普段の休日のようなコースだったが、幸せな気分で帰途につく。うちに帰ってからはビールを飲みつつ人生を語ったりしていたのだが、なぜか「水曜どうでしょう」のベトナム縦断DVD鑑賞大会と相成り、うとうと眠りながら観る。
日曜日の昼、テレビで麻婆豆腐を見たら無性に食べたくなったので目黒の中華料理店でランチ。そんなんばっかりか。美味しゅうございました。客人を羽田に見送りに行き、ついでに第二旅客ターミナルをうろうろ見てまわる。展望デッキから見える飛行機が全部ANAでつまらない。いや分けるために第二を作ったんだから当たり前だけど、なんとなくねえ。夕方に客人を見送り、その後は吉祥寺へ。お茶会の二次会がイギリス料理屋で開催されていたので乱入してこんな話や詩人のバンドのことやテクノポップやこんな本の話を垂れ流してエールを飲んで帰る。なんて楽しい週末だったんでしょう。
■火曜日 あまりの疲労に二胡のレッスンを休む。万豚記で坦々麺やビールなど。疲れすぎてうまく眠れない。4時頃からちょっと眠る。
■水曜日 さすがに猛烈な睡魔に襲われる。世間はサッカーだけれど興味が無いので渋谷にスープカレーを食べに行く。渋谷行きのバスから見えた恵比寿のZESTやブリティッシュパブに人だかりがしていて何事かと思ったらやっぱりサッカーだった。渋谷も人が少なかった。また眠れないと困ると思ってビールを二本買って帰る。しかしそれに手をつけることもなく11時前には失神するように眠りに落ちる。
■木曜日 8時頃まで眠って遅刻しそうになる。夕方、仕事で神保町へ。出かける前に上司から「神保町の駅構内にファンケルのジュースバーが出来てるわよ」との情報あり。帰りに立ち寄り、青汁ストレート一気。トッピングのサプリは「スタミナ」にしてみた。夜、目黒シネマでモーターサイクルダイアリーズ。予想以上に良かった。睡眠と青汁と良い映画で、かなり充電されてきた感じ。明日からは大阪から幼なじみが泊まりにくるので、しゃべりまくってもっと充電できそうだ。
ザ・法事。 ザ・多忙。 ザ・筋肉痛。
■村の爺様方は大量に酒を飲むが、人に飲ませるのも大量だ。しかも熱燗。よれよれになりながらも働かねばならんので倒れるわけにはいかない。そうやって気力で酔いをねじ伏せていると、妙に頭が冴えてきて絶好調。普段でも滅多にないくらいの元気っぷりだった。たぶん血圧が上がってたのだろう。
■昔使っていたシンセサイザー KORG MONOPHONIC SYNTHESIZER MS-10 を、実家のガレージで発見した。しかしガラクタの山に阻まれて到達できない。夏の帰省の時に、ガレージの整理を兼ねて発掘してやろうと思う。まだ音が出るのだろうか。
■京都駅の駅弁、はもちらしが出てた。ちょっと高かったけど自分へのごほうびに贅沢する。夏が来るなあ。夏になると関西では、湯引きした鱧と梅肉ソースのセットを安い値段で普通にスーパーで売っている。関東であれが無いのがちょっと寂しい。
2005年06月01日(水) |
そんな快楽とも苦痛とも知れない時間が終わりを迎え |
そんな快楽とも苦痛とも知れない時間が終わりを迎えたのに気づいて、身体に薄くぴったりと貼りつく汗に覆われのろのろと起きあがる。眠る前の自分とはどこかが違っている。身体の中の、筋肉や内臓や血液といった体積のあるもの以外の、「隙間」に充たされていたはずの何かがすっかり入れかわってしまったみたいだ。
新しい世界を手に入れた気分、けれどそれはただ新しいだけだ。素晴らしい世界なのか、ろくでもない世界なのかはどうにも知れない。ここはどこだろうと思うが、不思議と不安は無い。やってきたばかりのこの世界で、昔からここに居るような顔をして生きていかなければならない、そのことが少し辛いだけだ。
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