30歳までの Count Down
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2008年03月31日(月) 始まりと終わり

土曜日、彼女と九段下へ。

目的は桜を見に行くこと。


が、予想していた以上に九段下駅周辺は混雑していて
ゆっくり立ち止まって眺めている余裕すら無かった。

それでもお堀沿いに咲く桜をバックに写真を何枚か撮り、
そろそろ靖国神社の露店でも行ってみようかと思っていた頃、
突然彼女が、『ちょっと行きたい所があるんだけど。』

「どこ?」と聞いてみると、
『前に結婚式を挙げた場所がすぐ近くにあるんだ。』と彼女。


どうやら、何年ぶりかでその場所に行って感慨に浸りたいらしい。

んー、おれが逆の立場なら、行きたくても今付き合っている人と
一緒に行こうとは思わない気がするけど・・・。
こういう所は、女の、いや彼女のよく分からないところだ。


リクエストにお応えして、その結婚式を挙げた場所へ。

入り口の「本日挙式を上げる人々」的なリストには、
10組以上の名前が書かれてあった。

関係者じゃないと中へは入れないのでは?と思っていたけれど、
丁度、桜が見ごろだってことで屋上が一般にも開放されていた。
意外にも屋上には花見客と思われる団体が2、3組いるだけで、
料理や酒を運ぶのにボーイさんたちも割と暇そうにしていた。
もしかしたら、ここは、穴場なのかも知れない。

「じゃあ、お茶でもしようか?」ってことになり、
二人でテーブルに付いて、しばらく桜を眺めていた。

少し離れた所で、今日、式を挙げたカップルが親族や友達やらに
写真を撮られているのを見て、何年か前に彼女も同じような
ことをここで体験したんだろうなと一人で考える。


そんなことを考えていたら、この前から課題になっていた
二人の結婚のこと、と言うより婿についてのおれの考えを
改めて話しておこうかなと思った。


「あれから色々考えたんだけど、やっぱり、おれは婿は嫌だよ。」


あれから、おれが考えを変えるだろうと踏んでいたのか、
『そうなの?』と最初は驚いた様子だったけれど、
すぐに『どうして嫌なの?』と聞いてきた。


どうして嫌か?

婿が嫌って理由?

嫌なもんは嫌だ。

婿が嫌だ。
苗字は変えたくない。
彼女の戸籍に入るのは嫌。
おれが戸籍主でいたい。
だから、おれの戸籍に入れ。
世間体、プライド。
全てひっくるめて、婿になるメリットがない。
おれが貰うのは、嫁。
自分が貰われてどうする。

これ以上、理由がない。


思っていても、口に出して説明はできなかった。




『じゃあ、結婚できないね。』と彼女。

「やっぱり、そう、なるよね。」

『じゃあ、別れようか。』

「付き合ってる意味ないもんね。」


そんなやり取りの後、「帰ろうか。」とそこを出た。

数年前、彼女はそこで結婚式を挙げ、そして数年後、
その同じ場所で2度目の結婚を諦める。

中々うまく出来た話じゃないか。

まあ、ある程度は、こうなることを覚悟していた。
だから、その時は、おれはほとんど動揺していない。


この前書いた通り、

「縁が無かった。」

この一言で片付けてしまおうと思っていたし。




帰りの電車は、二人とも無言。
ただ、彼女はずっと泣いていた。

そして彼女の最寄り駅。

おれは自分の部屋へ戻るつもりでいたけれど、
泣いていた彼女を一人にすることもできず、
彼女を部屋まで送ることに。

歩いて彼女の部屋へ向かう途中、いつの間にか泣き止んでいた彼女は
何やら色々と考えている様子。

そして『ちょっと部屋に寄っていって。』


最初は断ったけれど、仕方なく彼女の部屋へ。


しばらく、テーブルを挟んでお互い無言だったけれど、
突然彼女が『分かった。じゃあ、嫁に行くよ。』


「え・・・?」



40歳まであと2268日。


azza |MAIL

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