MIKI.PRUNEの方丈日記
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2003年09月30日(火) 三日月の空に思うこと

 今日、夕方、西の空を見ると三日月がきれいに浮かんでいる。
 十五夜のまんまるお月さんもいい眺めですが、三日月も美しい
 と思う。空に雲・月・星・太陽といったものが浮かんでいるが、
 これらは空に無くてはならないもののような気がする。
 どれかが欠けても、空にアクセントが無くなる。
 そんな空を見ながら、1つの詩を思い出した。
 それは、吉野弘さんの贈るうたに収録されている「祝婚歌」です。
       (花神社刊)

         祝婚歌

   二人が睦まじくいるためには
   愚かでいるほうがいい
   立派すぎないほうがいい
   立派すぎることは
   長持ちしないことだと気付いているほうがいい
   完璧をめざさないほうがいい
   完璧なんて不自然なことだと
   うそぶいているほうがいい
   二人のうちどちらかが
   ふざけているほうがいい
   ずっこけているほうがいい
   互いに非難することがあっても
   非難できる資格が自分にあったかどうか
   あとで
   疑わしくなるほうがいい
   正しいことを言うときは
   相手を傷つけやすいものだと
   気付いているほうがいい
   立派でありたいとか
   正しくありたいとかいう
   無理な緊張には
   色目を使わず
   ゆったり ゆたかに
   光を浴びているほうがいい
   健康で 風に吹かれながら
   生きていることのなつかしさに
   ふと 胸が熱くなる
   そんな日があってもいい
   そして
   なぜ胸が熱くなるのか
   黙っていても
   二人にはわかるのであってほしい

 この詩は吉野弘さんが、結婚する若い人に捧げた詩(うた)
 なのだが、現代を生きる人に「もっとゆっくり、自然に
 生きて見ないか」と語りかけているようで、肩の力がスーと
 抜けて行くような感じがする。
 自然をみつめ、肩肘張らず、自分らしくスローライフを
 過ごしたいと感じる今日この頃。(会社にいると難しいが)
 少しでもそう感じられる時間とゆとりを持って行こうと思う。
 吉野弘さんのように、人に優しく問い掛けられる文章を作れる
 なんて素敵だと思う。
 
 これから芸術の秋。
 素晴らしい小説、詩、歌、絵などに接して、自分のこころを
 豊かにしたい。

  今日の一首

  秋風と 三日月の空 凛として わたしの心 澄みわたらせる

  美しい 三日月を見て よみがえる 優しい詩を ひとり口ずさむ  

   





 


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