MIKI.PRUNEの方丈日記
DiaryINDEXpastwill


2004年01月15日(木) 解夏

 この「解夏」はさだまさしさんが書いた本です。

 昨日、この本を読み終わったのだが、とても
 感動した本です。
 いくつかの短編が納められているのだが、
 先ず、本のタイトルにもなっている「解夏」は
 主人公隆之が「ベーチェット病」に罹り
 視力を失う過程を描いた短編小説です。
 
 「失明した瞬間にその恐怖からは解放される、苦しか、
 切なか行ですたい。」

 「なるほど。失明した瞬間に『失明するという恐怖』
 から解放される、ということですね」

 「はい。その日がああたの解夏ですなあ」

  中略

 なあに、いずれ乳白色の霧の中に迷い込むまでの、
 俺は「行」を生きてやるのだ

 林老人の言葉はそれほど力を与えてくれた。

 小説のなかで、隆之と林老人の会話が出てくる。
 ここでいう「行」は隆之ばかりではなく、
 私たちひとり1人「生きていること」
 それは険しい道であり「人生そのもの」が
 行とは言えないだろうか?
 「行」を生きてやるのだは、私に当てはまると
 思った。
 
 「秋桜」(あきさくら)は、外国人を嫁にもらった
 農家の舅と姑そして嫁のこころの交流を描いた小説。

 「水庭の村」(みなそこのむら)は、幼なじみ
 純一と敦子の一途な思いがこころ振るわせる小説。

 サクラサクは、痴呆の父を介護する中で、バラバラの
 家族の絆が1つになって行く小説。

 どれも読んでいてこころを打たれた良い本でした。


 今日の一首

  きらきらと 冬の星座の 輝きと 同じように かがやく本よ

 


MIKI.PRUNE |MAIL

My追加