オミズの花道
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『給料の3倍を稼ぐ必要がある』
2002年11月07日(木)
最低でもそれくらいの実力は必要。
これは別に水商売でなくとも同じことが言えるのではないだろうか。
スカウトを受けた時に、お客様であり企業のトップである御仁に相談をしたのだが、『お前は銭になる女やからな。』そう言われた。
何となく意味は解ってはいたが、まだ出て来て3ヶ月という浅さが、どうにも自信の足を引っ張っていて、その言葉にすんなりとは馴染めなかった。
『そうでしょうか。少なくとも給料の3倍は売り上げないと、
私という女の値打ちは無いのではないでしょうか。』
『その通りやな。ただ時間を売られるのは雇う方としては困る。
それはワシらの会社でも同じなんやで。
最低でも自分の給料は自分で出す、それくらいでないと雇う値打ち無い。
でないとマイナスが出るやろ。アホ臭いやん。
3倍売り上げるなら店の経費も出せるし、儲けも出てくる。
経済の仕組みとして考えたらそれがギリギリのラインやろな。』
『今の私には自信は無いですけどね・・・。』
『皆が迷うのはそこやろ。
スナックホステスがラウンジへ、ラウンジホステスがクラブへ。
チャージも倍づつ上がって行くからな。何人連れて行けるかが勝負や。』
ふと、溜息を漏らす。
『私は一店舗につき御一人付いて来て戴ければ御の字だと思ってはいますが。』
『何のコネクションも無い状態ならそれで当たり前や。今の時代は特にな。
お前はパトロンがおる訳やない。パトロン繋がりの客がおる訳やない。
全くの「素」の状態の勝負やからな。不利と言えば不利やろうな。』
だけどな、と社長は続ける。
『お前がパトロンもおらん、実力でやってる、そういう姿勢をワシ等はちゃんと見てるで。
今の店のママはパトロン繋がりの客が殆どやろ。実力で渡ってる訳じゃ無いで。
その証拠に見てみい。あの店が新規の客を何人掴んでるんや。』
『・・・・それはね、実の所・・・他のお客様にも言われてるんです。
いつ来てもパトロンの顔があるから来たく無い、
店が良いからという理由で行くのではなく義理でしか行かない、と。
ショックでしたよ。とても。しかもおっしゃってるのが洒落にならない人ばかりでして。
私としてはその言葉自体、これはこの人を引っ張るチャンスなのかも知れない、
そうも思いましたが・・・・躊躇はしますね・・・やはり。』
『なおちゃん、そこやねん!!』
社長様、キラリと目を光らせ乗り出す。
『そういう迷いや苦悩も、ワシ等はちゃんと見えるんやで。
でも仕事せなあかん、売り上げ上げなあかん、
そういう風に頑張ってるから、
「どうせ銭落とすんやったらあの子の所に行こう」ってなるんや。』
『とにかくやってみぃ。
今のまま迷ってても一緒や。
自分の実力が数字としてクリアになる世界を、お前はキタで知ってるんやろ。
数字の出し方は知ってるんやから、答えが出てから冷静に判断出来るやろ。
自分が銭になるかならんかは、それから判断せぇ。』
それから一ヶ月が経った今、最初の店からは確実に7人を抜き、(元客は別として)現在の店で勤務3日目の段階で、給料の3倍は何とか出している。
もちろん、今の所だけれど。
経済の仕組みとして(笑)何とかなりそうかな、と思いながら・・・・それでも慎重に事を運ばねばと自戒する。
まだまだ解らない。
本当に解らない。
あの時、私の背中を押してくれた社長には感謝している。
これからも感謝し続ける。
『ちゃんと見てるんやで。』
その言葉に感謝している。
だから頑張る。
一生懸命に。
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