オミズの花道
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『武士は喰わねど高楊枝』
2003年05月30日(金)
さて、ストーカー君である。
最近は切り離し作戦が成功して、落ち着いた定番のお客様として固定しつつあった。
実はこの人、ミナミに出て来て初期の頃、私が遊びに行っていた店で見初められた人なのだが、最初は切っても切っても追いすがってきてかなりうっとおしかった。
良く居る粘着質系の男性で、このタイプの頭を良くすると若造社長になったりするのだが、こういうタイプのお客様はお客様と言えどキッチリ躾け、ままならぬ時は容赦なく切り捨てるのが私という高慢ちきな女なのである。
周りの評価としてマルチプレーヤーな水上だが、どないもこないもならんもんはならん。
サクサク切ってしかるべし。月に35〜50万落とす割と良いお客様ではあるが、要らんもんは要らんのだ。
良く周りとかママに『よくそんな思い切った行動が取れるわね』と言われたり、『しんどい人でも引っ張って行けば良いのに勿体無い』と言われるのだが、私にしたらそんな奴に手間をかけてるより他の枝葉や新規開拓をして動いた方が、時間も労力も無駄にならないような気がして堪らないのだ。
こういう気性だから最大限に努力はするが、ある程度まで面倒を見て無駄だったら手を離す。
確率論かなとも思うのだが、自分が他所に出向いたり、新しい事に目を向けなければ新しいお客様も手に入らないのではないだろうか。
ところがこやつ、切っても切ってもまた追いすがって来る。
この一年間もう何度となくイエローカードを出し、電話も着信拒否にし、言い訳は許さなかった。
それでも泣きついてくる。病的なくらいに追いすがって来る。
こうなると傍目から見れば(店とかママからとか)私はただの冷酷な女でしかなく(いや、実際そうなんだけどさ)、段々とストーカー君が可哀想だとか言う意見が出て来て向こうに有利になってきた。で、渋々こちらが折れていたのだが・・・・不本意だぜ、まったく。
で、水上は切り離し作戦を決行した。今まで人を頼るとか、貸しだぜって世界はうっとおしいんで嫌いだったし、組むなら自分より実力のある人でないと修行にならんので避けてはいたが、もうこうなったら仕方がないと言うか、背に腹は変えられんと言うか、とにかく私にとっては最終手段だったのである。
さて、どういう手段かと言うと、同伴の時にお店の女の子を何人か巡回して同席させたのだ。
要するにヘルプちゃんにヘルプしたんですね。
3〜4人ほど巡回していただきました。(みんなありがとお〜。)
で、じっと見ていてストーカー君と馬の合いそうな子に、ここ最近ずっと私の同伴を援助して貰っていた。
その子にも同伴ノルマはあるから、その子にとっても願ったり叶ったりだったし、ストーカー君も目が散ったのか私に対する執着心を少しずつ無くし、すべて穏便に万々歳に事は運んでいたのである。
ストーカー君も最近ではその子に気持ちが傾き、その子を気に入って来店し、私はちょっとだけ挨拶に行けばいい、というパターンが続いていた。こういうパターンは実に有り難い。労せずして売り上げが上がるのである。色も抜ける。(っていうか他所に擦り付けてるだけなんだが)上手く行ったぜ、わ〜い、なんて思っていた。思ってはいたのだが。
ところが丁度一ヶ月前の事である。
コヤツこともあろうに料金を値切ってきやがった。
・・・・。
・・・・。
切れましたね。
こりゃもうレッドカードです。
今度という今度は勘弁がなりません。
自分の気に入った子が居る店で値切るとは、遊びを全く理解してませんね。何を考えているんでしょう。値切るなら他所で値切るべきだっちゅうの。
今までの私の苦労は何だったんでしょうね?アホらしくなりますね。お前の耳はちゃんと脳味噌に連結しているのか、機能を果たしているのかオラオラって感じですか。
大体この話をヘルプちゃんが知ったらどんな気持ちでしょうね?
ディスカウントの客に回されてる自分を情けなく思わないでしょうか?そんな安い扱いを受けたら、馬鹿にされてるって思うのは当たり前でしょうがね。
しかも自分で采配してディスカウントなら納得もするでしょうが、私の客だし売り上げだし、彼女に何の得があるんでしょうね?そういう事は考えないんでしょうか?
ストーカー君の仇名の如く、自己愛の塊ですね。相手の気持ちはどうでも良いんですね。
即座に返答しました。
『絶対マケてなんかやらない。』
その日、早速ヘルプちゃんに『同伴しなくていい、引っ張らなくていい、電話も嫌だったら出なくて良い』と告げ、何故そうなったか彼女には全てを話し、了承を得ました。
さて、それから一ヶ月が大変でした。店側としては奴ひとりでバイトの二人分のお給金は出る売り上げですから、呼べ!引っ張れ!とせっつかれましたし、ヘルプちゃんには悪いので別の同伴に回って戴く段取りを組み、何とか凌ぎました。
こうなるとね、口座の私じゃなくって上層部はヘルプちゃんにプレッシャーをかけて来るんですね。それをブロックするのもホントに疲れましたです。
で、ストーカー君。一ヶ月の間ヘルプちゃんに電話をかけまくり『ご飯だけでも付き合って欲しい』ですと。アホか。誰が行くっちゅうねん。
で、先日。とうとうストーカー君から私に泣きが入りました。どうしても遊びに来たいんですと。よござんしょ、来るならいらっしゃいまし。
ただし、
『これから先の値切りは一切許さん。』
そう断言しました。水上は根性がひん曲がっているのでむしろこの手の輩からは、鬼になって搾り取れるだけ搾り取る主義です。嫌な女だと思うなら思えって感じ。口座を怒らせるとこんなに手間がかかって余計な時間もかかって、尚且つ自分の株が落ちるのだと、ストーカー君も身に染みただろう。(染みて欲しい・・・・が、染みてねえかもなあ)
それが出来ないなら来なくて良い。私のお客様では無い。他所に行け。
店の子を安く扱って人間を馬鹿にして、人を踏み台にしなきゃ成り立たない商売なら、しない方がマシってもんだ。
そこまで私をナメてかかって来たのも許せない。
上層部が何て言おうが、要らんもんは要らん。どんだけ店側にせっつかれたって、ビタ一文マケテなんかやるもんかぃ。
マヤさんがボソっと呟く。
『ふふふ。武士は喰わねど高楊枝、・・・・ってヤツねぇ。』
もう嫌いっ!この人っ!
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