オミズの花道
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『 着信拒否の理由 』
2003年09月16日(火)



鯨ちゃんが海外から帰ってきたらしい。
金曜日に6回の着信があった。

らしい、というのは・・・・う〜ん、実の所・・・・携帯を着信拒否にしているからなんだけど。


で、何でそんな事をしているかと言えば、ちょっと鯨ちゃんについて行けない部分が多くて。
別にただのお客様なんだから、そこまで考えなくてもいいのだろうけど、やっぱりちょっと困っちゃうんだよね・・・・。

上手く言えないなあ。
私という人間は、こと自分の事になると放りっぱなしというか、突き詰めて考えないというか、要するに冷静じゃなくてヘタレなんだけど、自分でも自分のこういう所に嫌気が差してしまう時がある。


一緒に旅行には行ったけれど、ホテルも全然違うし行動も別だし、お付の人が沢山居たし、エッチ込みのお世話係の女の人も居たし、向こうに居た時も私は友人と行動を共にしていたし、要するに顔を合わせても一回か二回くらいだけだったんだよね。

ホテルが違うってのは、鯨ちゃんが博打で落とす金が半端じゃないから、ホテル側が用意する部屋が、私と友人とでは全然違うって事なんだけど。
まあ私も鯨ちゃんとどうこうなりたい、って訳じゃないから何でもいいやって機嫌よく友達と遊んでたわけ。


でもまあ、なんて言うのかな・・・・旅行に行くまでにそれまで色々あったワケですよ。

私が中々彼の所有物にならないものだから、店に来る頻度もどんどん減っていってですね。
彼にしてみれば、自分と寝たがる女は沢山居るのだから、私如きが思い通りにならなくて面白くなかったんでしょうね。

で、全ての店がそうだとは限らないんですけど、外国系のお店は特に彼のようなお客様には女の子をあてがうんですよ。
で、そんな女の子を私の店に連れて来るんです。向こうは離れたら逃げられるからついて来るんですけど。

ああ、別に鯨ちゃんも私に妬かせようとかしてるんじゃないんですよ。彼の生きてる世界では、それが常識なの。
自分が遊ぶ時には常に傍に女が居て当たり前、のような世界。
ヤクザじゃないよ(笑)。最近はどうだか知らないけれど、彼が持ち出した頃にはブラックカード(センチュリオン)はヤクザにはおりなかったんだから。

で、それはいいの。そこまではいいのよ。そういう客って今までも沢山見てきたしさ。
この世界は遊びの世界だから、こういう人種ってザラにいるしさ。


でもね、ある日の会話なんだけど。

鯨 『お前はホンマに〜!何回俺に口説かすんや!!』
水『はぁ。でもお見かけするたびに別の女性とご一緒じゃないですか。
  別にワタクシでなくてもよろしいのでは?こっちも本気なのかな?とも思いますし。』

鯨『女か。あんな連中は何でもない、ホンマに身体だけの女や。
  ちょちょっとエッチして、同伴したったり、小遣いやったり、の。
  真剣に恋をする相手と、身体だけの相手は違う。』

これを聞いて私は『なんてオヤジ!!』とか思う前に『怖く』なってしまったわけです。
男性諸氏には解らない微妙な女心と申しましょうかね・・・・。


つまりね、彼の望み通りにしたとしますよ、そうしたらですね、私はとんでもない紅蓮の炎の中の住人にならねばならないのですよ。

彼は人を見抜く洞察力に関しては、神がかり的なものを持っています。
だからこそ彼はブレーンに恵まれ、財を成し、息子たちにも経営者として土壌を与え、一族の隅に至るまで、それぞれの適職を見出し与えているのですね。

人種的な特権も無い世界で(お解かりですね)、その様はまさに常人技ではありません。
そんな人ですから、私如きオミズのオネエチャンなど、内面を見抜くのに手間など要らないのですよ。お見通しなんですよ。スカスカなんですよ。

一見水上は恋愛に関してはドライ型に見えますが『情が深すぎて地雷を踏んだことは多々ございます!』なウェット型だったりするんですね。
こういう女は本妻か、もしくは愛人でも『一番の愛人』向きだという事を、この男は鬼畜なまでに承知してるんです。
紅蓮の炎の住人として耐えられる要素を持つ女か、どうか、を。


事実、彼の奥様はとても出来た女性で、男性の理想とする女性だったりします。
が、御本人は言い尽くせないくらいに泣かされ続けて来た女性です。
同性としては余りいただけない生き方です。

そして彼が15年囲っていた女性が居たのですけど、昨年彼の行動に耐え切れずとうとう別れたのだそうです。
こういう男は嫁が居ようが、愛人が居ようが何だろうが、自分のスタイルを変える事はありません。
そりゃこんな事を耐えられる女性はまず居ないでしょう。しかも愛人さんは女房という社会的立場も与えられず、ただ金銭や物を与えられ、てです。

彼を愛していないなら金銭や物ででも耐えられるでしょうが、愛情があればあるだけ耐えられないのではないでしょうか。
何たってちょちょっとエッチの相手なんて、外にごまんと居るわけですから、彼女にとっては愛情の印は『囲われている事だけ』なのです。


この男が最も鬼畜な所は、こういう紅蓮の炎に身を投じる女が、生活面(女房)でも愛情面(愛人)でも、自分に絶対に必要だという所なんです。
即ち、自分に対して真剣に愛情を持つ女を徹底的に泣かせる、その行為が彼にとっては必要不可欠なんですよ。

反して金だけの女は自分の内面には絶対に踏み込ませないんです。
そういう女は彼にとって何の意味も無い存在なんですもの。
天然のサディストってこういう人の事言うんじゃないでしょうかね。って言ったらサディストさんに怒られますかね。

奥様と愛人さん、彼女達お二人は、紅蓮の炎の中の住人です。
鯨ちゃんを愛してしまったがゆえに、彼と居る限り、その炎に焼かれ続けるんです。
切ない女の気持ち、彼にとってはその苦痛さえ、自分への捧げ物なんでしょうね。


で、ですよ?
仮に水上が鯨ちゃんの女になったとします。

私はアッホゥ〜な女ですので、体が馴染んでしまえば本気で彼のような鬼畜な男でも、鬼畜と解っていながら尽くして尽くして泣き続けるでしょう。
そうなると、ボロボロになってクタクタになって生きていく事になります。

そんな世界、まっぴらゴメンですよ。
予行練習だか何だか(そう言われた)知りませんが、エッチ込みのお世話係を見ても平気でいなきゃいけないんでしょう?
目の前であてがわれた女を見ても、平気でいなきゃいけないんでしょう?
そんなの無理だから。


プライドってんじゃぁ無いんです。
ただ怖いんです。
自分の中の血と膿の混ざった汚いものに振り回されるのが。
そういうのは人生に一度あれば充分なんです。

そこまで彼の事を好きじゃ無いから、耐える必要なんて私には無いし覚悟も生まれません。
適材適所の女を見付けてご満悦だったらしい(側近コメント)ですが、彼の誤算は相手である水上が歳を食った女狐であったことです。


とは言え、姿勢は決まっているものの、どうしていいか解りません。
どうしていいか解らない・・・・それはこの脈絡の無い文面で、読んでおられる皆様が充分にご承知の事とは思います。

その私の不安の正体は、別に同伴や売り上げのノルマなどではありません。
罰金を取りたいなら取ればいいし、それで解決するのならいっそ安いものです。
この収入でだけで生きていない分、他の女性よりはリスクが少ないので(私のこういう所が同業者から見たら腹が立つんでしょうけれど)追い込めるお客様も少ないのですし。
・・・・そんな現実的な事が不安なのではないのです。

鯨ちゃんの持つ独特の可愛さに、自分が揺らぐのが怖いのです。
姿勢を決めているとはいえ、紅蓮の炎の在り処を理解しているとはいえ、己の中の荒ぶる闇に振り回されまいと決めているとはいえ、その箍を外すに充分なものを相手が持っている時には、そんなものは何の歯止めにもならないのです。



だから今は距離。取り敢えず距離。
ゆえに着信拒否。



本当にへタレだよなあ・・・・私。




写真日記はここ。




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