オミズの花道
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『 愛情という名の呪縛 』
2003年09月17日(水)
ママとじっくり話をした。
泣かせてしまった。
泣かせるつもりでは無かったのだが、淡々と話をしていたらいつの間にか泣いていた。
説得や駆け引きや権力の行使ではなく、こういうタイプはやはり情けに弱い。
その事を思うと、こちらも少し泣きたくなる。
私は次女なのだが途中から長女でもあるので、他の姉妹の方よりは長女のもつ色を読み取れるのかも知れない。
ママもやはり弟妹が居る家の長女だから、私の姉と似た色を持っているのだ。
色、と表現すると美しく聞こえるのだけれど、言葉を飾らず言えば親の呪縛である。
長男長女には親の呪縛という独特のものが存在するのだと知ってはいたが、色々な人に触れ、どこの家でもあるのだと解って来る度に、度々こうやって泣きたくなる思いをする。
私とて完璧に恵まれた家庭に育ったかと言えばそうではない。特に家督の問題では、三人姉妹という事もあり色々と大変だった。
誰かが婿を取らねばならぬとか、墓を守って行かねばならぬとか、そういう課題は我が家に常にあって揉め事の種になっていたと思う。
それだけでもややこしいのに、或る時期からもっと困った問題が浮上してきた。
別にうちは由緒正しい家柄でも何でも無いのだが、その拠所ない事情の為、父方の姓一つだけではなく、母方の姓も『姉妹の中の誰かが継がねばならぬ』という事態になったのである。
二つの家の名をいずれは継がねばならぬ、というのはこの時代でも三人姉妹にはキツイものがあり、私と姉は女でありながら、家督の問題に関しては男であることを求められるようになってしまった。
私が姉の持つ『親の呪縛』に気が付いたのはこの頃からだったように思う。
男兄弟の居る姉妹ではなく、まるで『一つの家に長兄が二人居る』様なその状況が、私に今まで見えなかった姉の姿を教えてくれたのだ。
或る日、姉に言った。
貴女は姉妹の中で一番多くを知った人だけれども、
『自由になる事「だけ」を学ばなかった人間』だ、と。
・・・・別に親がそれを望んだ訳ではない。
いや親はむしろ、最終の目的として『自分が居なくとも生きて行ける様に』子供を育てるものだ。
そして子供に対しては何事にも縛られる事無く、出来るだけ自由であれと望む。
家督がどうのこうのと言いながら、その実うちの親も『この問題は二次的な付属』であって、本当はどうでも良いものだったりするのだ。
だが、姉だけがその親の気持ちを理解出来ない。
私はママに入院を勧めた。
今はもう、力を抜いていいんじゃないか、
○○○のママとしてではなく、
○○○○○さん、という個人で生きてもいいんじゃないか、
これからの頑張りは誰の為でもなく、自分の為にしてよ、
そんな風に言ったと思う。
どうするかは本人次第だし、店も彼女のものだ。
意地でも閉めないとは思うが、そうであるなら今度は自分の為に閉めないで欲しい。
・・・・素直に泣けた彼女を初めて見たような気がする。
私とこの人は、遠くて近い所に居るのだな・・・・。
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