オミズの花道
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『 新雪・幸あれかし 』
2003年10月16日(木)
今回の事では皆がバラバラになる。
うちは他店に無いくらい女の子が仲の良い店だったから、それぞれがとても辛い。
サオリは『自分が外国人なのに、こんなに仲良くしてくれる店は無いと思う。私はきっと次の店に行ったらいじめられてしまう。他の殆どの店はそうだったから。』そんな風に言ったりするし、ヘルプのマミちゃんはサオリと同店に行くつもりらしいが『今度はオールヘルプ(売り上げは勿論同伴ノルマも無し)って訳には行かないですよね。』と眉間に皺を作る。
私が育てたリョウコは、そこそこのモノにはなったしもう大丈夫だと思うのだが、本人がまだまだ不安らしく、『一緒に居たいです。』という。
私は私で思うところもあるのだが、何故だか言えなかった。
それはきっと私がこのミナミを離れる人間だからであろうと思う。
離れて行く者が何を言ったとて、・・・・例えばそれが不安への同意であれ、反する励ましであれ、上滑りの、取って付けた言葉にしか、ならないような気がして。
でもまあ、そんな景気の悪い顔してたってなんだし、ぱ〜っと送別会でもしようという事になった。(すいません、言いだしっぺは水上です)
で、お客様から巻き上げた・・・・失礼、カンパして戴いた資金をもとに、連休は女の子4人、美ヶ原温泉へ行こうという運びになったのだ。
新大阪から名古屋まで新幹線。名古屋から二時間揺られて松本へ向かうというコース。
帰りもこれくらいの移動時間なら、無理も無くて疲れないしね。
さて当日。
もう秋の風景が見れるかと期待していたのだが、真夏のような暑さにグッタリの一行。
とにかくもう湿気がうっとおしくて、酒開けの呼吸器になおさら負荷がかかる。
グッタリはしていたが、朝の10時の新幹線なのでお腹が空くだろうと、徹夜の酒が残ってたんだけど駅弁はしっかり名古屋で購入した。いや、列車の旅はこうでなきゃね。
列車の旅から駅弁を取ったら楽しみが80%減ですよ?そう思いません?
サオリは『三大名古屋名物!味噌カツ・エビフリャー・チキンライス弁当』、Mちゃんは『くり釜飯彩り弁当』、Rちゃんは『名古屋コーチン釜飯弁当』だった。
で、水上は『マスの寿司』。あのザクザクっと笹ごと切ってケーキのように食すアレ。・・・・あれにしようと思ったのだが、『ブリの寿司』に変更。これはマスの寿司と同じ形なのだ。嬉しい。ザクザク切るの、結構好きだったりするし。それでブリなんて、何とも言えませんて。
とここで『水上さん、また青魚なんですか〜?もう〜本当に好きですね〜。』そんな皆の横槍が入る。
『脳味噌が疲れてるからDHAが必要なのっ!!』と抵抗する水上。
きゃいきゃい言いながらの女の子同士の旅は実に楽しい。
横のオバサマグループに青いミカンを頂き、ななめの席に座っていたおじいちゃんとおばあちゃんに甘栗を貰い、盛り上がりながら電車の旅を過ごした。
皆さんホステスさんですから、初対面でも物怖じしなくて盛り上げるのが得意。
これって職業病とも習性とも言えるよね(笑)。
さて松本に着いて市内見物をし、お城などを見て回る。
ちょっと風情のある場所で写真など、お茶など、と思っていたのだが、余りの湿気攻撃に上海娘がキリキリと叫びだす。
『お風呂!お風呂はいります!サオリもう我慢できません!今日はなに!?もう日本は秋でしょ!?暑すぎるです!どうしてですか!?』・・・・怖いわあ。切れた大陸育ちって。
そういうわけで早いのだが無理を言って旅館にチェックイン。冷房ガンガンにして凌ぐ。
早速お風呂に入って、湯上りに部屋で喋っていると、もうはや夕食の時間。
お料理はそこそこ美味しかった。林檎のグラタンが意外とツボだったし、仲居さんがこっそり持ってきてくれた試作品の杏シャーベットが超美味でした。
んで、もう一度本格的にお風呂。露天風呂でのぼせないから長い時間皆と話す。
お酒を抜いているから疲れずにお湯に浸かれる。温泉って本当にいいなあ。
部屋に帰って、眠る者はいつの間にか寝て、話すものは話し続ける。
誰が話しかけようが勝手にウトウト。
話しかけた方も、相手からの返事が無かろうが、ちょっとの気も使わない。
こういうのって気心が知れていないと成り立たない情景だろう。
普通は友人同士でもこういう時には気を使ったりして、中々自分のペースでいられない。
でも我々の仲ではそういうことは無く、皆がそれぞれ好きなように自分にも相手にも気を使わない。
それくらい、私達は共に居たのだ。
こんな風になれるくらい。
そう思うと急に、
本当に急に、
淋しさが私に襲い掛かってきた。
『淋しくなる、・・・・ですね。』
サオリが泣くようにつぶやいた。
私の心を読んだかのように。
『そうだねぇ。でも、新しく他の人に出会う、その為だから。』
・・・・そう、そうなのだ。
自分でもこの言葉が出た事に、驚きはしたが。
人は誰かと出会うために生き続ける。歩き続ける。
願わくばその出会いが、
別れの訪れた時になお、
惜しまれるような出会いであらんことを。
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