無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年12月06日(金) 頑張れ爆走� 紳萋鷁麁�本オタク大賞/『SとMの世界』1巻(ビーパパス・さいとうちほ)/『井戸の中の悪魔』(篠田真由美・秋月杏子)

 「第二回日本オタク大賞2002」が、以下のように決定。

 大 賞 ………… 株式会社 海洋堂
 赤熊賞 …………『千と千尋の神隠し』DVDソフト
 トップをねらえ!賞 ……『ほしのこえ』
 初夢ジャンボオタク賞 … HGUC RX-78ガンダムGP03デンドロビウム
            …『鉄騎』
 残念賞 …………『手塚治虫ランド』(テーマパーク)
 岡田斗司夫賞 … SFムービーセレクション第3弾『謎の円盤UFO』(食玩)
 唐沢俊一賞 …… ベータマックス
 眠田 直賞 ……『トータリースパイズ!』
 切通理作賞 ……『ぼくのなつやすみ2 海の冒険篇』
 氷川竜介賞 …… 雑誌「ネットランナー」付録『中華キャノン』
 鶴岡法斎賞 ……『忍風戦隊ハリケンジャー』のウェンディーヌ
 米沢嘉博賞 ……『神罰』
 児玉さとみ賞 … ジョイまっくす(ニトロプラス広報)
 カンザキカナリ賞 ふたけっと

 毎回、楽しい賞を作ってくれるなあ、と感心する。
 『ほしのこえ』、ウワサによれば結構酷評受けつつの受賞だったそうだが、『トップをねらえ!』賞ってのはまさに皮肉だ岡田斗司夫さんが提唱したのかな。確かにSFネタとして考えた場合、『トップをねらえ!』第5話「お願い!! 愛に時間を!」とかぶってるのはわかるんだが、別にこのネタ、『トップ』の専売特許ってわけじゃなし、そうおちょくらんでもええやん、という気もしてしまうのである。
 もっとも、皮肉と言えば「手塚治虫ランド」の「残念賞」というのも皮肉の利き過ぎだとは思うんだが。一応、資金不足ゆえってことになってるらしいけれど、そんな単純なものじゃないよな。
 手塚治虫を神格視してディズニーと同列かそれ以上に扱おうって人間が結構いたりするものだから、いかにもそんなテーマパークが作れそうな気になったのかもしれないが、率直に言ってそこまで社会的な波及力のある人ではないし、イメージキャラクターとなるような作品も、ディズニーとは比較にならないほどに少ないのだ(既に「手塚治虫」って誰? とその存在を知らない若い人も多い)。アナタ、ヒゲオヤジやアセチレン・ランプの着ぐるみが遊園地の中を闊歩してるの見て、楽しめますかね(^_^;)。ましてや小山内桐人や変身後のトッペイがウロチョロしてたら子供は泣くぞ。もともと「テーマパーク」に向く漫画なんか殆ど描いてない人だってこと、手塚プロの連中も認識しとくべきじゃないか。「アトム」と「レオ」と「サファイア」だけで数々のアトラクションを持たせられるわきゃあないのだ。まだしも『スタジオジブリランド』の方が実現性があろうってものである。「ラピュタ」の崩壊を体感できる巨大なアトラクなんかがあったら、私なら3時間行列してでも入るがな(^o^)。

 それにしても大賞が「海洋堂」とはねえ。
 掲示板にも書いたことだが、確かに素晴らしいディテールのジオラマを食玩で展開したことを評価するに吝かではないのだが、「こんなん作ってどうするよ」というものも結構あるのだ。「鉄人28号」目的で買った「タイムスリップグリコ」だが、それを当てるためにムダにしちゃったものの中には、「牛乳配達のオート三輪」とか「学校給食」とか「旋風機」とかもあるのである。脱脂粉乳のミニフィギュアとか、作ってる方も虚しい気分にならんかなあ。どっちかというと、海洋堂製作の食玩の、ベストテンを作ってその最高傑作に大賞を挙げてほしかったなあ。細か過ぎるか。
 ちなみに、私が思う今年の海洋堂食玩ベスト3は、『銀河鉄道999』「鉄郎のかーちゃん(死に際の表情がいい……ってヘンタイか)」、『タイムスリップグリコ・鉄人28号』「正太郎くんと大塚署長(初期バージョンの正太郎くんの顔が最高!)」、『ゴジラ名鑑』「モスラ対ゴジラ(モスラ浮いてるし)」ってところだろうか。もちろん名作アニメシリーズや妖怪根付、手塚治虫も外せないんだけれどね。

 けれど、このラインナップを見て、「アレが入ってない」「アレが全く言及されてないのはなぜだ」って感想を抱く人も多いんじゃなかろうか。
 実は私もこの大賞のノミネート掲示板に『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ! 戦国大合戦』をノミニーしておいた。だからと言って、「どうして選考から漏れるんだ!」と喚き騒ぎたいわけではない。
 昨年、『オトナ帝国』が圧倒的指示でオタク大賞を受賞した(というより、『オトナ帝国』に受賞させるためにこの賞が新設されたようなもの)その翌年がまた『クレヨンしんちゃん』では賞のあり方としてどうか、という問題もあるし、第一、今回の『青空侍』は、オタク的マニアックな魅力とは全くベクトルが違っていて、まず「映画」としての魅力を評価すべき作品なのである。もちろんあの映画に全くマニアックな要素がないというわけではなく、侍の風俗、戦闘の描写などを「時代劇マニア」として評価することや、タイムスリップが起こる必然性に関してのSF的整合性の見事さに言及することは可能だろうが、さて、それをして大賞を与えるにふさわしい突出した要素として見てよいかどうか、という点については、当然、論議の対象になろうとは思っていたのである。まあ、全く初めから無視されるのも寂しいよなあ、という気持ちで書きこんだのだから、別に審査委員に目がないとか思っちゃいない。
 掲示板には他にも『おじゃ魔女どれみどっか〜ん!』40話や、『少林サッカー』などの書き込みがあったが、これらはどの賞にも滑りこまなかった。これらは確かにちょっと惜しいという気がする。吾妻ひでおの『スクラップ学園』復活を挙げてた人もいるが、これはいくらなんでもコア過ぎると言うものだろう(^_^;)。
 放送の様子は「輝け!第二回日本オタク大賞2002」と題して、
 第一部 2003年元旦23時〜24時
 第二部 2003年1月2日23時〜24時
 スカイパーフェクTV!279chほか全国一部CATVにて放送の「MONDO21」にて放送予定だそうである。元旦の、コタツで温まってミカン食ってテレビ見ての、だらけた夜の過ごし方はこれで決まりだね(^^)。今回から扶桑社から単行本も出るそうだから、放送でカットされるであろう過激な審査委員のやりとりはこちらでチェックされたらいかがか(それでもカットされるだろうしなあ)。


 また今日もしげ、「具合が悪い」と言って、朝送ってくれない。
 ここんとこ連日なので愚痴は省略。昨日の日記の文句をコピーして貼っておいていいくらいだな(^o^)。


 マンガ、ビーパパス原作・さいとうちほ作画『SとMの世界』1巻(角川書店/あすかコミックス・420円)。
 ビーパパス作、となっているが、実質これは幾原邦彦だろう。言わずと知れた『少女革命ウテナ』コンビによる新作である。……ということはこれもそのうちアニメ化……?(・・;)
 まあ、『ウテナ』の作者たちだからマトモなもの作るわきゃないってのはわかってるんだけど、なんつーか、タイムスリップもの+「真珠夫人」って言えばいのかな? 相当アブナイです、このマンガ(^_^;)。

 フランスに修学旅行でやってきた主人公の高校生、舞姫セカイ。彼女にはずっと思い続けていたクラスメート、御堂がいた。意を決して、TGVの中で自分の想いを告白した瞬間、列車は脱線事故を起こす。身を捨てて世界を守ろうとする御堂。セカイの意識は遠のき、再び彼女が目を覚ましたそこは、中世フランス、ルイ14世の統治する謀略と動乱の時代だった。
 見知らぬ世界に投げ出され、戸惑うセカイだったが、その奇妙な容姿(当然セーラー服である)と言動から、魔女だと疑われ、裁判にかけられそうになる。彼女の窮地を救ったのは、「S」と呼ぶ人形を大切に抱いている不思議な美少年、ソヴュール。彼が世界をこの時代に連れてきた張本人であったが、自らの素性とセカイをタイムスリップさせた理由については、口を固く閉ざして語ろうとはしない。
 やがて、王家の権力闘争に巻き込まれたセカイの前に、御堂とそっくりの男、マキャヴァリオが現われる。一瞬、御堂が助かっていたのかと錯覚し、心惹かれたセカイだったが、 彼が永遠の命を持ち時間を自由に移動できる「魔人」であり、この世界での数々の動乱を、不思議な術を駆使して陰から引き起こしていたと知って、恐怖に怯える。
 マキャヴァリオはセカイを「我が花嫁」と呼び、犯そうとする。それは、かつて「魔王R」が得ていたという万能の力「SとMの書」を手に入れるために必要な「儀式」だったのだ……。

 どのへんが『真珠夫人』なのかっていうと、セカイがしょっちゅう犯されかけてなんとか助かるってシークエンスね(^o^)。マキャヴァリオはどうやら真性の悪魔らしいけれど、何だかんだ言って、いずれセカイは犯されちゃうんだろうな。ソヴュールの助けってのがあまり役に立ちそうにないし、これから先何巻続くかわからないけれど、テレビシリーズにしたら毎回どうやって世界を助けるかに苦心するんじゃないかな(^o^)。しかし、ホントにそんな企画、通るのかなあ。通ったら面白いけれど。
 タイムスリップを繰り返して、毎回別の世界に行くってのもよくある設定ではあるけれど、バラエティな物語を期待はできる。ただし、少女ものだと飛ばされる世界が限定されて狭くなりそうで、せっかくの設定をうまく生かせるかどうかが心配。どうも時間移動はできても空間移動を同時にはできないらしく、フランスから外へは行けないみたいなんだよね。間違っても『タイムボカン』にはならんってことか。日本の過去じゃあ、あまり耽美な世界は描けないだろうし(いや、新撰組ものとかではアリかも)。
 一応悪の魅力のカッコイイ系と、愛玩タイプの美少年系のキャラを用意してはいるのだけれど(まんま『ウテナ』の暁生or冬芽と幹やんけ)、人気が出るかどうかってのが微妙だなあ、と思う。意外にあっさりと次の間で打ち切られちゃう可能性もなきにしもあらず。
 けど、別にセクハラ発言するつもりはないけどさ、少女マンガってもう少し革新してってもいいとは思うんだよ。24年組が台頭していったころから考えると、明らかに現実から遊離していって、御伽話の世界に埋没していってるマンガが増えてるしねえ。けれど現実として、年頃の女の子って、男の愛玩物にされる危険を常にはらんでるよね。セカイもこのままの展開だと、犯されながらも相手の男・マキャヴァリオを愛するようになりかねない。そうなっちゃったら男の思う壷じゃん? と怒る女性ファンも出てきそうだけれど、そんな虫のいいこと考えながら女を犯す手合いだって、実際に男の中にいたりするし、そんでもってホントに女が男を愛するようになっちゃう場合もあるのである。悲しいけど。
 そのあたりの描写がリアルなんで、もしかしたらこの物語、第2の「少女革命」を幾原さんが狙ってるんじゃないかな、とも思うのだ。犯されてもなお、少女は自らの魂を潔く誇らしく気高くして行けるものなのか。『ウテナ』ではそれに対する解答を「男に抱かれたあと、女に走る」という形で提示していたんでちょっとずっこけちゃったが(でもある意味説得力はある)。
 ともかく、この物語世界の意味について描こうと思ったら、2巻3巻程度では足りないということはわかる。できれば人気が出て、5巻、10巻と続いてほしいと思うんだけれど、難しいかなあ。
 

 篠田真由美原作・秋月杏子漫画『建築探偵桜井京介の事件簿� ^羝佑涼罎琉�魔』(角川書店/あすかコミックスDX・546円)。
 ミステリーのコミック化、もうブームを通りこしてごく当たり前の感じになっちゃったけれど、取り上げられる作品が新本格以降の作家ばかりに集中しているのが不満なところである。マンガ家さんたちも松本清張や高木彬光や鮎川哲也や土屋隆夫などに目を向けてほしいものである。内田康夫でミステリを図られてもファンとしては困るんだよ。ふと思ったが、いかにも漫画化されそうな伊集院大介シリーズのコミックがないってのは、栗本薫が自作の漫画化を嫌ってるってことなのかな? 昔、コンタロウが『ぼくらの時代』をマンガ化したことがあったけど(同タイトルのシリーズとは別)、アレが気に入らなかったとかかなあ。
 それはさておき、篠田真由美初のコミック化であるが、やはり原作のコミック化は難しいねえ。いや、こんなアクの強い絵柄を原作読んでるときは想定してなかったのせいなんだけど。目はいつもどこかウツロ、異様に長いマツゲで、半開きの口の上唇だけを太い線で描くあの奇妙な絵柄は、どうやって生み出されたものだろうか。やっぱり同人誌あがりなのかな。顔の表情も角度も、コマ内での構図も固定化されてるので、ストーリーにダイナミズムが生まれていない。
 ただ、ヘタクソだと言うことはこれから発展途上のマンガ家さんだってことでもあるので、もう少し期待して今後を見て行きたいという気もする。コマワリのし方はそう悪くないからである。
 収録作は表題の『井戸の中の悪魔』と『迷宮に使者は潜む』の二本。どちらもトリックはそこそこ。これが「建築探偵」ものだという前提で読めばあっさりとネタがわかる程度のものだ。でも、だとすればもっと「建築物」に視点を置いた作画をすべきではなかったか。どうもキャラクターばかり描いてて、肝心の「建築」の描写がおざなりになっているのである。

2001年12月06日(木) 他人の日記ネタ。Aさんすみません(^_^;)/『ナジカ電撃作戦』MISSION 009/『韃靼タイフーン』2巻(安彦良和)ほか
2000年12月06日(水) 人は年6回風邪を引く/『冒険配達ノート ふまじめな天使』(赤川次郎)



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藤原敬之(ふじわら・けいし)