無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2003年07月10日(木) たいして過激なことは書いてない/『トリビアの泉 へぇの本』第�機Ν挟�/『ああっ女神さまっ』26巻(藤島康介)

 またもや日記の更新が遅れ気味なので、例の長崎市の児童誘拐殺人事件について、掲示板の方に感想を書く。あとになって感想が変化したときのためなんだが、実のところあとで書いてもたいした変化はない。
 というのも私は、事件そのものには殆ど関心がなくて、「世間がその事件をどう受けとめたか」という「時代の感覚」のほうに視線が動いてしまうからだ。事件は「現場」なんかで起こってるんじゃない、「時代」と「世間」がデッチアゲてんだ(^○^)。
 だもんで、書いた内容、事件の悲惨さがどうの、ということには一切触れてない。おかげで掲示板に書き殴った内容だけだと、説明不足な点もあるので、事件自体の概容をもう一度長崎県警の報告からおさらいする。

 昨7月9日に補導された少年は、7月1日午後7時20分頃、長崎市の家電店で種元駿ちゃん(4歳)を誘拐。路面電車などを乗り継いで、約4キロ南の駐車場ビルに移動した。そして9時15分頃、同ビル屋上で駿ちゃんを全裸にして突き落とし、殺害。
 取調べに対して少年は素直に応じ、「たまたま店にいた子どもに声を掛けたらついてきた。顔見知りではなく、全く知らない子どもだった。いたずら目的で駿ちゃんを連れ出し、騒がれるなどしたため困って投げ落とした」などと答えている。
 少年が13歳以下のため、県警は児童福祉法に基づいて長崎中央児童相談所に通告、相談所はまた「審判に委ねるのが適当」と判断、本日の午後、事件を長崎家裁に送致した。
 家裁は2週間の「観護措置」を決定し、少年は、裁判官から非行事実などの確認を受けて長崎少年鑑別所に収容された。

 報道メディアは既に「第2の“酒鬼薔薇事件”」という呼称も使っているし、既にネットでは少年の本名と顔写真と称するもの(複数確認したから間違いも当然ある)も出回っている。

 で、以下が掲示板に私が書いた内容。

> 天皇崩御なみの特大記事で報道されてる例の12歳の事件だけど、正直な話、騒ぎ過ぎなんじゃないのか。今日になってようやく動機がイタズラ目的だった由、判明しつつあるけれども、昨日一昨日なんか、状況も殆ど分らないうちから、新聞もテレビも「12歳の犯行!」って大見出しでさ、やたら煽情的だったよねえ。ホントになぜなの? 
> だいたい「12歳」って年齢だけでショックを受けるのって、あまりにも世間知らずだと思うがな。そのへんのガキンチョ見てみなよ。12歳ならもう充分、オトナ相手にしたって人殺す意志くらい持ってるよ(体格は関係なし)。マスコミ、本当に「まさか12歳だったとは」とか思ってる? 昔、14歳の犯行が起こった時には結構「いずれ小学生の犯罪も」って警鐘鳴らしてた人いくらでもいたぞ。犯罪に年齢制限はないってこと、とっくの昔に理解してたはずじゃないのか。
> なんだかねえ、今更ながら驚いて見せるのは、これまで何を報道すべきかってことをわざと見過ごしてきたマスコミの責任回避にしか私には見えないんだけどねえ。

> もちろんそれは、庶民だって同じこと。テレビのインタビューに答えてさ、「まさか12歳だったとは」なんて驚いてみせてるおばちゃんたちがいるけど、本気なんですかねえ、あれ。身近にいる子供たちが犯罪者になる可能性から目を逸らしてるから「ショックを受けたふり」ができるんじゃない? で、これから先、似たような事件が起こったってさ、どうせまた同じように「ショックを受けたふり」をし続けるんだよな、きっと。
> 自分たちのやってることの意味、分かってる?
> それって結局、「子供のことなんて私は考えたくもありません」って言ってることなんだよ。多分、自分の子供のことも含めてね。

> ともかく、情報が不充分な段階から騒いでるのは、事実を解明しようという意図よりも、この事件をどんな物語に仕立てあげようかという意志の方が勝っているからだ。それもどうせキャスターたちが訳知り顔に語るのは、いい加減百万回くらい聞き飽きてる三文小説なみの陳腐なドラマなんだよね。
> 「なぜこのような事件が起きたのでしょうか」「加害者の少年にはどんな過去があったのでしょうか」「周囲の大人たちはどうして少年の心のキズに気付かなかったのでしょうか」かとかなんとか。これでもし、少年がイタズラに走った原因がマンガとかの影響、なんて話が出てきたら、また責任転嫁したがる連中が騒ぎ出すのも目に見えてるよな。
> まあ、マスコミが勝手に騒ぐのは構わないけれど、それに乗せられてまたぞろ少年法の改正がどうのこうのと言い出す連中(賛成派反対派とも)が跋扈しはじめるのが見ていてうだんしい(←博多弁。鬱陶しい、うざったい、いやらしい、めんどくさいの意)のである。被害者の親まで「改正を」とか言い出してるしな。いやはや、マスコミのマインドコントロールもすっかり世間に浸透しちゃってるよ。

> 「なぜこんな犯罪が起こったか」なんてこと、議論する必要ないんだよ。「そこに犯罪者がいたからだ」。それだけ。動機だって、わざわざ原因を過去に辿る必要なんてない。「あるとき変態性に目覚めた」それだけじゃん。そういう資質が本人にあったってだけで、親や環境の影響が全くなかったとは言わないが、少なくとも全責任を負わせることじゃないって。
> 「ただの変態が子供にイタズラしてそのあと殺した」それだけの事件じゃん。何をみんなよってたかって喜んではしゃぎまくってるんだ。
> 私ゃこの状況のほうがよっぽど気色悪いよ。


 これ読んでエライこと書くなあ、と思う人もいるかもしれないが、まだ表現を抑えてはいるのである。
 あえてねー、もちっとアブナいことを書いちゃうとさー、こーゆー10代の変態やら犯罪者やらが出るのを怖がってさー、少年法とか改正して取り締まろうとか思ったらさー、キリがなくなるよー、「BR法」を本気で考えなきゃならないくらいにねー。
 ああいう「10代」を取り締まろうと思ったらさー、結局「収容施設の強化」ってことにしかならないんだよねー。でもそんなもん、現実に「設置」できると思うー?
 「人権派」でなくってもさー、「犯罪に走りかねない10代」が「別に特殊な存在でもなんでもなく」って、「自分のムスコやムスメもそうなるかもしれない」ってことに気づいたらさあ、みんなやっぱ「少年法は守ろう」って180度逆なこと言いだしちゃうと思うけどねー。
 でもそんなことに「気づかない」あるいは「気づきたくもない」人間ばかりだということを証明しちゃってるんだよな、ここ数日の報道は。
 つまり、自分が「犯罪者の親になる」可能性をまるで考えないバカ(こんなとこにも「ウチの子に限って」の論理が働いてるんである)か、あえて現実から目を逸らしてる卑怯者か、そのどっちかしかいない世の中になっちまった、ということだ。
 自分はそのどちらでもない、と言えるならこう自問自答してごらんな。「自分の子供がもし犯罪に走ったら、その子供を殺して自分も死ねるか」ってな(勘違いしないでほしいが、「そうしろ」と言ってるのではない。これは「覚悟」の問題である)。
 じゃあ、お前はどうなんだって、アホなツッコミ入れてくるバカもいるかもしれんが、ウチは子供作ってません(^o^)。アンタ、自分の子供のために自分の人生棒に降りたかねーや。既に「何の覚悟もない」女房を持ってる時点で半死人状態に陥ってるってのに、何でそんな自殺行為をせにゃならんかね。
 もっとも、世間に「想像力」がなくなってるからこそ、ポコポコ際限なくガキ作る親もゴマンといるわけで、それでなんとか日本の人口も保たれているとも言えるかな(^o^)。


 晩飯は博多駅バスセンターの上、お好み焼きの「ふきや」でブタ玉焼き。
 ここはマヨネーズかけ放題なのだが、隣席でOLっぽい女性三人が、マヨネーズをかけ過ぎたらしく、「余っちゃった、どうしよう」とか言っている。
 それだけなら聞き流すところだったが、次のセリフでつい耳を欹ててしまった。
 「アメンボの足に付けるかあ?」
 いやあ、マンガみたいだがホントにお好み焼きが喉につかえたね。
 これ、昨日の『トリビアの泉』の「アメンボも溺れる」ってネタなんである。
 アメンボの足の先には、毛がたくさん生えていて、その足先から油を出してそれを塗りつけている。それが、洗剤等で取れてしまうと溺れてしまうというもの(生活廃水のせいで実際に溺れ死ぬアメンボも多いらしい)。
 アメンボが水面を泳いで(と言うのか?)いる水槽の中に石鹸水を入れると、なるほど溺れる(ひでえな)。で、救出したアメンボの足にマヨネーズを塗るとまた泳げるようになるのである。
 こんなところで『トリビア』ファンに出会うとは……と思っていたら。
 「でもその実験、小学校でやったよー」
 「結構知ってること多いしねー」
 「『へぇ』っての少ないよねー」
 「どうでもいい知識が面白いって言えばそうかもしれないけど、なんかねー」
 OLさんにはあまりウケてないらしいな、あの番組。実際つまんないのは事実なんだが。
 老荘思想に基づけば、「知」なんてものは全てトリビアなんで、その点においては「相対性理論」と「トグロウンコの作り方」とは等価値であると言える。つーか、そういう視点がないと、「トリビア」を面白く見せることなんてできないと思うんだが、あの番組に欠けてるのはスタッフがみんな本気で「トリビア」を面白がっちゃいないってことなんだよな。
 アシモフの言葉を巻頭言風に引用したり、学者や関係者への取材が電波少年風だったり、スタッフが「面白がってる」んじゃなくて「ふざけてる」のが見えるのがともかくイタイのだ。

 と言いつつ、その『へぇ』の本を2冊買っちゃったんだけど(^_^;)。
 フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉 へぇの本』第�機Ν挟�(講談社・各1000円)。
 深夜放送分を2冊にまとめたもの。カラー写真もふんだんだし、番組見ながら「たったこれだけ?」って感じてた印象がが随分緩和されている。ただ価格が高いね。
 まあ、もうちょっとその辺は突っ込めよ、という甘さはどのトリビアにもあるんだけれど。
 「『ルパン三世』の銭形警部の名前は幸一である」ってトリビアも知ってる人にはすぐ突っ込まれちゃうよな。
 あれはもともと原作者のモンキー・パンチが「銭形平次の子孫だから」ということで「平一」と書いてたのを誤植されて「幸一」になったもの。その後、原作で改めて「平太郎」と名付け直されたけれど、最初のアニメ版及び劇場版第一作では無視されて「平次」になってしまった。「幸一」の設定が復活したのはテレビ版第2シリーズで。
 ついでに「ルパン三世のファーストネームは?」ってのもよく言われてるけれど、「三世」と言ってる以上は「アルセーヌ」ってことになるんだろうけれど、モーリス・ルブランの原作ではアルセーヌの父ちゃんも泥棒なんだよな。
 となるとルパン三世は本当は四世じゃないとオカシイはずなんだが、一世の父ちゃんは「テオフラスト(テオファリスト)」って名前なんで、一応断絶してると考えるべきか。でも原作に登場するルパン二世はジャンって名前で(ママはクラリス・デチーグ!)、泥棒ではないのだよなあ。まあ。原作との整合性考えたってしょうがないんだが(『ルパン三世』の原作には、そのあたりをファンに指摘されたのか、「実はルパンはアルセーヌ・ルパンの孫じゃないかも」なんてエピソードまである)。


 マンガ、藤島康介『ああっ女神さまっ』26巻(講談社/アフタヌーンKC・490円)。
 オビによると、「単行本累計1700万部突破!」だそうな。
 ちなみに『ワンピース』は24巻までで、6600万部、『バガボンド』は16巻までて3170万部。他のデータ挙げてもいいけど、まあ超ヒットとまでは行かないのである。いや、あえて貶めるつもりしないけれど、オビに書くほどのもんかって気はしちゃってね。
 話はもう何がどうなってるのかよくわかんないです。えーっと、「天使食い」が暴走して、ヒルドとマーラーが逃げて、女神たちが協力して天使食いを封印してってことでいいのかな? なんか盛りあがんないんだよなあ。
 作者がもうマンガとしてのコマワリができなくなってて、イラストの羅列になってるから読みにくいったらありゃしない。よかったら「これまでのあらすじ」を付けてくれませんかね、マジで。
 あと『包丁人味平』のパロはつまんないです。

2002年07月10日(水) 憑かれた女/『新宿少年探偵団』(太田忠司・こやま基夫)ほか
2001年07月10日(火) 踊れば痩せるか/『ちょびっツ』2巻(CLAMP)ほか



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