無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2005年09月12日(月) 選挙ひとまとめ/『二十面相の娘』5巻(小原愼司)

 狂乱の選挙から一夜が開けても、ニュースは選挙のものばかり。
結果はもう皆さんご存知の通り、自民党の歴史的圧勝。

 投票率67.24%
 自民党296 公明党31 民主党113 共産党9 社民党7 国民新党4 新党日本1 諸派1 無所属18

 しげなんぞは「選挙ばかりで見るものない」とつまらなそうである。いつもいつも思いはするのだが、選挙の最中、ほかのニュースは消えてなくなってるのかね?
世間では、自民党が勝つと予測していた人でも「ここまで大勝するとは思わなかった」とか言ってるけど、そうかね?確かもっと議席取ってたときあるぞと思って調べてみたら、1986年、中曽根康弘政権時の、第38回衆議院議員総選挙、いわゆる「死んだふり解散」の時に304議席を獲得している。ああ、みなもと太郎が『風雲児たち』で松平定信を語ってるあたりで「300議席大勝利」とパロったときだ(マンガとかに絡めないと、昔のことも思いだせんのか)。もっとも、あの時は衆参同日選挙に持ち込んで与党有利を演出した結果だったが、今回は様相が違う。自民分裂で「民主有利」の声も囁かれていたのだから、小泉首相のイメージ戦略が効を奏した結果だと言える。実際、あれだけ庶民に「分かりやすい」選挙を展開させた首相も滅多にない。イヤな言い方をすれば、「大衆のレベルを熟知していた」んだけどね。
 正直、私は選挙に関しては、1980年、大平正芳首相が選挙期間中に急逝した第36回衆議院議員総選挙の時以来、興味をなくしている。自民党はあの時「弔い合戦」を標榜したが、その日本人の心情に訴えるイメージで、やはり選挙前には自民党不利の予想が大半を占めていたにもかかわらず、286議席獲得という大勝利を得た。この国の人間の大半は、結局は政治を「イメージ」でしか理解できず、その政策内容を冷静かつ客観的に見て判断するなんてことはしないのだなと実感した。それ以来、この感触は変わっていない。私が「今度の選挙はどの党がどの程度票を伸ばす」という予測すると、それは殆ど近似値で当たるのである。福岡に関しては、どの地区の誰が大勝するか僅差で勝つかまで、ほぼ的中してしまう。「一票の価値」なんて、私にとってはないに等しい。こんなんで選挙に興味を持てという方がムリだ。
 昨日、よしひと嬢とお喋りしてたときにも「自民党が勝つよ」と言い切っていたのだが、予想通りである(選挙の後ならいくらでも大きな口が叩けるじゃんと言う人もいるだろうから、結果前にちゃんと公言してたことを表明しておく)。小泉首相は争点を「郵政民営化」一本に絞った。“それが何を意味しているか”はたいして関係がない。「余計なもんに税金使うの止めようよ」程度で充分、というより、“それ以上の難しいことは大半の国民には理解できない”あるいは“考える気がない”のである。何か大衆を馬鹿にしているのか、とまた文句付ける人も出そうだが、同じ「大衆」の一人として明言しておく。日々の生活に追われてりゃ、“政治に関心を持って勉強する暇なんてない”のが普通なのだ。各党の政見放送は毎回必ず全部見てるって大人、この日本にどれだけいるってんだ。
 私は違うぞ、ちゃんと各党の政治理念や公約や実効力を全て分析しているぞと仰るあなた、あなたは実はこの国では「少数派」なのですよ(笑)。
 「刺客」というカッコイイイメージも存分に機能した。いくら他党が「やり方が汚い」と反駁しようが意味はない。もともと造反組には「裏切り者」というマイナスのイメージがあるのだから、「貴様らどの口でそれが言えるか」ってなもんである。あれで、各地の代表は、全て「小泉代理」のイメージを浸透させることになった。大衆は自民党に投票したのではない。「小泉純一郎」に投票したのである。造反組や社民党が彼を「ヒトラー」になぞらえたのはある意味正しい。それは「イメージ戦略」を最大限に利用したという点においてである。逆にバカなのは別に虐殺を行ったわけでもない小泉首相を「ヒトラー」と呼んでかえってイメージを落とした造反組である。亀井静香の苦戦はホリエモン以外が対立候補であってもある程度はあっただろう。それでも小泉陣営においては亀井静香の地盤を揺るがし覆すことは無理だと判断していたと思われる。ホリエモン自身が希望していたとは言え、彼の起用は「あわよくば」でしかない。このあたりの「読み」も小泉首相の、「大衆のイメージを“どこまで利用するか”」という細やかさを感じさせる。
 まあ私はこの国の未来がどうなろうとどうでもいいので(←こういう言い方をすると立腹する人もいるのだが、身近にいる政治かぶれのプロパガンダ野郎にはいい加減でウンザリしているのよ)、増税があろうがテロがあろうが、そりゃ信任したもんの責任なので、知ったこっちゃない。
 選挙の結果で私の興味を引くのは、東京地区で自民党の名簿候補者が足りなくなって、落選していた社民党の保坂展人が当選したりとか、そういう小ネタだったりする。南関東では、選挙カーを確保するために「名前貸し」しただけの浮島敏男まで当選。そんな人を議員にしちゃっていいのか。辻本清美(比例での当選だってのに、どうして実力で当選できたかのように喜べるのかワカラン)の当選と言い、比例代表制って、やっぱりおかしいと思うんだけどな。
 

 マジで生活費が足りなくなってきたので、父に無心に行く。
 全く恥曝しなことであるが、日ごろ偉そうなことを日記に書きつらねてはいても、内実はしげも私も生活無能力者である。テメエのことを棚に上げて世の中がどうのこうのと好き勝手なことをほざいているやつなので、いちいちもっともだとか感心なんかしないように。エラぶってるわけではなくて、馬鹿だから物怖じしていないだけなのである。だから腹を立てて文句付けていただくぐらいでちょうどよいと考えている。
 もちろん、遊行費は生活費とは別にちゃんとあるので、無心というよりはタカリなのであった。人間のクズだな。
殆ど舌先三寸で親をだまくらかして(もちろん親父はあえて騙されてやっているのだが)、ついでに「ジョイフル」で飯まで奢らせる。父、選挙結果ら不満らしく、自民党圧勝でバランスが取れなくなったとブツブツ。日本人は結局、自民党しか支持しない、有権者がバカなんだと断じている。しかしならば父が反自民党なのかというと、必ずしもそうではないからややこしい。
 「こないだアンケートがあったったい」
 「それで?」
 「『小泉政権を支持しますか?』って聞かれたから、○○○って答えた」
 「ふーん」
 「『どこの政党を支持しますか?』って聞かれたから、××党って答えた 」
 「……?」
 「で、『どの党に投票しますか?』って聞かれたから、△△党って答えた」
 「全部バラバラやん!」
 「オレはオレなりに考えてやりようっちゃけん、これでよかと」
 要するに、世間のバランス感覚のなさが父には腹立たしいのだ。選挙に行く人間だって、日ごろ政治に関心があるわけではなくて、イメージに左右されただけの、実質的には「無関心派」であることは一目瞭然である。組織票を平然と投票できる人間、政策を知りもせずに有名人だからという理由だけで投票する人間、そんなやつらがひしめき合ってるのは父には「狂っている」としか見えないのだろう。父のやり方がムチャクチャであることは事実なのだが、これが博多人らしい「反骨」というものなのだ。リクツではないのだ。 


 マンガ、小原愼司『二十面相の娘』5巻(メディアファクトリー)。
 『白髪の魔人』編が終了。俳優・田宮清次の顔を持つ白髪の魔人。二十面相との過去の因縁がついに明かされるが、その正体が“そういう人”であったとはなかなか意外な結末だ。
 ネタバレしないで感想を述べることがムチャクチャ難しいのだが、白髪の魔人が二十面相に対してなぜあれほどまでに執着し敵対し、その手から全てのものを奪おうとしていたのか、“そういうことであるなら”充分に納得できるのである。魔人が「人形」に拘り続けた理由もまた、同じ理由であったと考えられる。
 しかし、その理由がかなり特異であるために、さてこれが原典の『二十面相』の世界観とどの程度リンクするものかどうか、若干の疑問は残る。乱歩世界の夢幻境の一つとして考えることも不可能ではないのだが、「そちらの方向に進むのはどうかな?」とちょっと考えさせられてしまうのである。
 ネタバレを避けると、こんな書き方にしかならないので、何のこっちゃよく分からないとは思うけれども、ご容赦いただきたい。

2004年09月12日(日) スタジオジブリ、金のオゼッラ賞
2003年09月12日(金) 誉められ下手な話/『ガウガウわー太』7巻(梅川和実)
2001年09月12日(水) 誰かあの飛行機に「テロチルス」と仇名をつけたやつはいないか(^_^;)/『あずまんが大王』3巻(あずまきよひこ)
2000年09月12日(火) 打ち身とワンピースの続きと/『ONE PIECE』6〜15巻(尾田栄一郎)



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