無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2005年09月11日(日) ヒビキ狂想曲/舞台『ラーメンズ・プレゼンツ GOLDEN BALLS LIVE』

 掲示板にも書いたけれど、この日記の15万ヒットが近づいています。毎日200人近くいらっしゃっているのであろう通りすがりさんたちと、50人いるかいないかくらいの数少ない常連のみなさま方、毎度ありがとうございます。今回、前後賞も考えておりますので、カウンターにご注意頂いて、「あっ、キリ番だ!」とお気づきの方は、通りすがりさんでも構いません、メールにてお知らせください。水野晴郎さんサイン入り『シベ超5』パンフやキティちゃんご当地ハンドタオルなどをプレゼントいたします。まあ、報告がない可能性の方が高いので、常連さんは様子見て頑張ってクリックしてみてください(笑)。

 昨日のハカセの結婚式の記述について、「カクテルドレスの色がブルー」と書いたけれども、ハカセから「写真で見るとブルーに見えるけれども、薄紫なんですよ」と訂正のメールがありました。ということなので、昨日の記述は「薄紫」と読み替えといてください。
 以上のように、私の視力では色の濃い薄いの区別があまり付かないので、しょっちゅうこういう間違いはしでかしてしまうが、ご寛恕いただきたいのである。


 『仮面ライダー響鬼』三十一之巻 「超える父」。
 まーねー、本音言っちゃえば「作品外のゴタゴタはどうでもいい」ってのがスタンスなんだけれど、一応、あっちこっちのサイトとか覗いて、今回の騒動の概略だけは見とくことにする。でも先週と状況は変わらないね(笑)。
 「明日夢君の父」問題、死別じゃなくて離婚してたんだな。設定にはそう書いてあったみたいだけど、本編中で触れられることはなかったから、これも「唐突感」は否めない。でも、桐矢君がヒビキに亡き父の姿を見出し、明日夢君に向かって「君はなぜお父さんに会いにいかないんだ?」と詰め寄った(全く余計なお世話をするやつだ)ことをきっかけにして、ヒビキの助言もあって明日夢君も「お父さんに会ってみよう」と決意する、という流れ自体は別におかしくはないのである。会いに行ったはいいものの、肝心の父ちゃんは日曜出勤していて、会社に行ったら現場に出向していて、現場に行ったら急に倒れて入院していて、病院に行ったらもう回復して家族でレストランに行って(バイタリティーありすぎだよ父ちゃん)、というムリヤリな展開にもやっぱり反発を抱くファンはいるみたいだが、「誇れる父」を描きながら、かつ、明日夢君自身が「父を超える」決意をさせる手段としては、十全ではないにしてもダメ出しするほど悪くはない。犬小屋を作ろうとする心理なんか、明日夢君なら充分自然だろう。帰りのタクシーの中での明日夢君と母ちゃんの会話も、定番の「私が惚れた人だから」はまあ照れるが、いい雰囲気は出している。このへんにまで文句を付けるとすれば、そりゃやっぱり過剰反応だよ。
 結局、従来のヒビキファンの反発の殆どは「テコ入れ」キャラである桐矢君に集中してるんだね。実際、ラストの「ヒビキ、お前はいずれオレのものになる」なんて、何が言いたいんだか意味不明だ。多分、こいつがこれから先、魔化魍側に取り込まれていくことになるって伏線なんだろうけれども、今の段階でそれらしいセリフを吐かせるのは矛盾であり、先走りに過ぎる。このあたりの吟味の甘さが井上敏樹の「雑さ」であるのは事実なんだが、同時に、いかにも「あと二十話でシリーズを完結させねばならない」突貫工事ぶりを露呈しているとも言えるのだ。ファンの中には『龍騎』のラストの超どんでん返しの再現を不安視している人も多いようだが、あれは「ライダーバトル」という設定があったからありえた結末なんで、『響鬼』のように「途中引継ぎ」という不測の事態と単純比較なんかできないんである。
 白倉伸一郎プロデューサーのブログでは、今回の騒動を知った上でわざと「釣られて」、「重態で捨てられた子供を引き取った」と形容している。29話まで、展開が遅々として進まなかったのは事実なのだから、「重態」と言われても仕方のない面はあるし、「捨て子」の比喩が正しいのであれば、現場放棄をしたのは前スタッフの方かもしれないという可能性もある。もちろんこれは「引き継いだ側の論理」で書かれている文章だから、全面的に信用するわけにはいかない。「真実」はもうしばらくしないと明かされることはないだろうが、そのときでないと、この騒動の評価は定まりようがないと思う。
 今日もヒビキさんは「きびだんご紅」というしょーもないギャグを飛ばしてくれて、団子詰めをチマチマやってる様子を日奈佳に「不器用」と容赦なく断定されてしまうという、ヒーローっぽくない情けない姿を見せている。こんな些細なシークエンスまで、ファンの反発を買っているのは、やっぱり「袈裟まで憎い」レベルまで落ちてるよとしか言いようがないのである。確かに私も『アギト』のころはこの手の井上敏樹の寒いギャグはいちいち癇に障って仕方がなかったのだが、『響鬼』の中だとヒビキのキャラクターから考えて、決して不自然な印象はないと思うんだがねえ。


 昼、メルパルクホール福岡で、ラーメンズ・プレゼンツ『GOLDEN BALLS LIVE』。
 早めに現地に着いたので、近所を散歩、「九州エネルギー館」を覗いたあと、会場に入る。お客さんは殆どが女性。演劇ファンというよりはラーメンズへのアイドル人気なんだろうなあ。隣の席の女性が、観劇中、片桐仁を見て感極まったと言うように「素敵……」と呟いていたのが芝居以上に印象的だった。
 タイトルは、ラーメンズの二人に、野間口徹、西田征史、久ヶ沢徹の三人を加えて「GOLDEN BALLS」というユニットを結成した、という体裁だけれども、直訳すれば「金玉は生きている」である。いいふざけ方だ(笑)。
 様々なスケッチを映像を間に挟んで進めていく形式や、シュールなギャグからシチュエーションコメディまでありとあらゆるギャグをぶち込んで行こうとする姿勢は、モンティ・パイソン、シティボーイズの流れにあるが、ラーメンズの強みは、若くて体技にキレがあることがそれぞれのギャグをよりシャープにしている点にある。今回の舞台もそれは充分に発揮されているのだが、ちょっと残念だったのは全員、なぜかトチリが多くて、芝居の流れが止まることが多かったことだ。小林賢太郎が「今日は全員がそれぞれに傷つく日だ」と自嘲的にギャグを飛ばしていたが、一応、会場は笑ってくれてはいたけれども、役者としては反省しなければならないことは言うまでもない。
 けれども、『アリス』でも感じたことなのだが、そのギャグのアイデアの豊富さには正直、驚かされているのである。しかもそれが体技を生かした「舞台」でしか表現できないものが多いことに、感服している。例えば、冒頭のパントマイム勝負のスケッチ、五人がずらりと並んで、畑から野菜を引き抜くマイムを演じる。「ダイコン」「ニンジン」……と来て、それまではみんな同じパフォーマンスだったのが、最後に小林賢太郎が「ゴボウ」と言って、一人だけ“長く”野菜を引き抜く。これだけのことなのに笑いが起きるのである。ちょっとした違和感を笑いに結びつけるセンス、簡単なようで、自分で演じてみればこれがどれだけ困難なことか分かる。ちょっと動きに余計な「タメ」が入っただけで観客は笑わなくなるのだ。
 当然、全部のギャグは紹介しきれないが、いくつか、私が好きなスケッチを。
 「愚問道」を極めようとする五人。師範代(片桐仁)に向かって、四人が、「愚問」を投げつける。「魔女の宅急便が出てくる映画はなんだ!」。切り返す師範代「魔女の宅急便!」……確かに愚問だ(笑)。
 「人生のチャンスを掴もう」と、旅を続ける若者(西田征史)。そこに現れた樵の二人(小林・久ヶ沢)は「これが『チャンス』だ」と言って、山椒魚みたいなヘンな生き物を見せる。「チャンス」とはそのドーブツの名前なのだった。実はほかにも「ビッグチャンス」「ダブルチャンス」「宇宙チャンス」などもいたのである。
 「ヨーガ」の師(片桐仁)が、楽天の通販で買ったでっかい「ゴールデンボール」(つか、でっかい落花生型のビニールボール)を使って、「寿司」とか「ぷよぷよ」の携帯模写を見せる。そこに小林賢太郎の解説ナレーションがかかるのだが、片桐が足を前で組んだポーズを取ったときに、「『素顔のままで』……思い出してー、思い出してー」と言ったのには笑った。
 「新米コックたち」が、初めて厨房を任される。ところが、彼らは食材に「紙粘土」を使おうとしたり、デタラメの限りを尽くす。そのたびにコック長(久ヶ沢)は「ちょっと待てえ!」と止めるのだが、事態はエスカレートするばかり。久ヶ沢徹のこの発声が冷静かつ権威敵であろうとしながらも焦る心理が見事に表されていて、爆笑を呼ぶ。このスケッチが今回、一番気に入った。
 先述した通り、トチリが多かったのは残念だけれども、間違いなくラーメンズの二人は現代コメディアンの最前線を走っている。
 

 夕方、よしひと嬢から電話。
 今度のしげのお泊まりについての打ち合わせの電話だったのだが、「ちょうど博多に来てるんですが、お食事でも一緒にしませんか?」と誘われて、「ビッグボーイ」で食事。職場の愚痴などを聞く(笑)。
 「今日はイベントが凄かったみたいですよ」と言うので、「選挙?」と聞き返したら、「いえ、コミケが」と返される。そりゃ「イベント」って言われればそうだよな。世間には、「選挙には本当に興味がなくて」という発言には眉を顰めて、国政にモノ言う権利をなくしてるぞと非難する人もいるだろうが、そんなの覚悟の上なんだから、文句を付けられる筋合いはない。オタクはオタク道のみを邁進するものなんである。
 「忙しくて最近はアニメも映画も見ていないんですよ」と言いながら、「毎週見てるのは『NARUTO』に『アイシールド』に……」言い出すので、心の中で「見てるじゃん」と突っ込む。
 要するに、一度体の中に流れたオタクの血というものは消えないということであるが、よしひと嬢と他の腐女子の違いは、自分のイタさを自覚しているかしていないかだろう。人間、みんなイタイものは持ってんだから、そこから目を背けてちゃ、ひとりよがりにもなろうってものである。

 よしひと嬢を博多駅にお送りして、帰宅、録画しておいた『グレートマザー物語』を見る。今日は『響鬼』の細川茂樹さんのご家族の紹介。なかなかモーレツなお母さんで、「茂樹はうちの皇太子」と公言するのはちと恥ずかしいが、まあ、それくらいの気概がないと、個性的な役者さんってのは育たないもんかもね。
 細川さんが教師志望だったのが、教育実習のときに「ネクタイに高級なものを使うな」なんて下らない難癖をつけた担当教員のせいで断念せざるをえなかったというエピソードには腹立ちを感じた。形しか見ねえバカ教師はもう、昔も今もあとを絶たないんである。でもそのおかげで我々はヒビキの勇姿を見られているんだから、今回ばかりは人見る力のないバカ教師に感謝すべきかね。
 細川さんが作ったカレー、旨そうだったな。男は一人暮らしをすると、カレーだけは作るのが上手くなるのである(笑)。 


 第62回ヴェネチア映画祭で宮崎駿監督に栄誉金獅子賞が送られた。って前々から決まってたことだけどね。この手の「栄誉賞」ってのは「功労賞」ってことで、映画祭の審査委員だって完璧じゃないから、世紀の大傑作に受賞させることを「見逃す」ことだってあるのである。その「罪滅ぼし」的な意味合いが強いので、要するに映画祭が絶対の権威だなんて思っちゃいけないということを映画祭自らが表明しているようなものなのである。でもこれで宮崎監督があと1、2本くらいは映画を作ってやろうって気持ちになってくれると嬉しい。でも次は『ハウル』のときのこと反省して、ちゃんと脚本書いてから映画作ろうな(笑)。
 受賞で機を一にしたわけでもないだろうが、DVD『ハウルの動く城』と『ジブリがいっぱいSPECIALショートショート』が11月16日に発売される。後者の内容は以下の通り。

1、そらいろのたね
2、なんだろう(Aタイプ〜Eタイプ/CGオープニングバージョン)
3、On Your Mark(CHAGE&ASKA プロモーションフィルム)
4、「スタジオジブリ原画展」TVスポット
5、「火垂るの墓」金曜ロードショー放送告知スポット
6、「金曜ロードショー」オープニング映像
7、「金曜ロードショー」オープニング映像
8、オンラインショッピングモール「SHOP-ONE」告知スポット
9、アサヒ飲料「旨茶」CM(渋谷編/会議編)
10、LAWSON「三鷹の森ジブリ美術館」チケット販売告知スポット(Aタイプ〜Cタイプ)
11、LAWSON「千と千尋の神隠し」DVD販売告知スポット
12、ハウス食品「猫の恩返し」キャンペーンCM(Aタイプ〜Cタイプ)
13、りそな銀行 企業CM(Aタイプ〜Cタイプ)
14、ハウス食品「おうちで食べよう。」シリーズCM夏バージョン(ままごと編/おつかい編/路地裏編/宣伝カー編/ままごと編30秒)
15、ハウス食品「おうちで食べよう。」シリーズCM冬バージョン(ソリ遊び編/道草編/ソリ遊び編30秒)
16、KNBユメデジPRスポット(はじまるよ えらいこっちゃ編/テレビ新世界編/新世界遊泳編)
17、読売新聞社 企業CM瓦版編(15秒/30秒)
18、読売新聞社 企業CMどれどれ引越し編(Aタイプ15秒/30秒/Bタイプ)
19、どれどれの唄
20、ポータブル空港
21、space station No.9
22、スタジオジブリ最新作(『空飛ぶ都市計画』のことかな?)

 「ジブリ美術館」で上映されてた映画はやはり収録されないようだ。けれど、『ナウシカ』以降では、宮崎駿監督の最高傑作である『On Your Mark』が収録されているので、これは絶対に買いである。宮崎監督が売れすぎちゃって嫌いになった方も、「天使を救い出す二人の警官の物語」であるこれだけは眉間ならばぜひ見ていただきたいのである。チャゲ&飛鳥の歌が邪魔って大欠点はあるんだが(笑)。

2004年09月11日(土) 911の陰謀
2003年09月11日(木) アニメの世界は広いんだぞ/『Heaven?―ご苦楽レストラン』6巻(完結/佐々木倫子)
2001年09月11日(火) 地球が静止した夜/『ななか6/17』3巻(八神健)
2000年09月11日(月) ミステリとワンピースと/『ONE PIECE』1〜5巻(尾田栄一郎)



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