無責任賛歌
日記の表紙へ|昨日の日記|明日の日記
2005年09月10日(土) |
ハカセ結婚!/『ユート』2巻(ほったゆみ・河野慶) |
グータロウ君が、日記でここんとこのカトウ君と私の諍いについて苦言を呈している。 「たかがネットでのテレビに関する意見の食い違いから始まった話が、ここまでゴテルということは、今までの二人の間に(第三者、特に会ったことも無いような人間には想像もつかないような)相当な因縁があるのだろう」 もちろんこれは「皮肉」であって、「そうでなきゃてめえらただのバカだぞ」いう謂いなのであるが、この「因縁」というやつがまあ、話せば長くなるのだが、実は全くないのである。 いや、ないと思っているのは私だけで、どうやらカトウ君の方にはあるらしいのだけれども、「あるらしい」ということがウワサで伝わってくるばかりで、カトウ君が直接私に何か含むところがあるのかどうか語ってくれたことは一切ない。おかげで、本当にあるのかないのか、確認できないでいたのだ。 かと言って、こちらから「文句があるなら言うてみい!」と言うのもそれこそ「インネン」である。しょうがないんでそのまんま放置していたのだが、それでも彼はことあるごとに日記にチラチラとそれらしい不満や愚痴みたいなものを書き連ねていた。そのウジウジしている態度にいい加減飽き飽きしていたので、こちらの『響鬼』30話感想にカトウ君が絡んできたのを機に、じゃあまあ、いっちょトコトン突っ込んでやろう、とやってみたのである。「どっちもどっちでお互いイタいオタクじゃねえか」とグータロウ君が思ったのも当然である。わざとイタくしたんだから。 カトウ君のブログに、状況が何も分かっていないあほな第三者が乱入したりしたおかげで(だいたい、仕掛けてきたのはカトウ君の方が先なのに、どうして私の方が論点ズラシてるなんて言えるのかワケ分からん)、彼はまた「逃げ」を打っちゃって、結局どんな「因縁」を彼が感じていたのか、分からずじまいだったわけだが、ここまでハッキリ言えないというのであれば、どうせ大したことはないのであろう。グータロウ君の「皮肉」は、まさしく的を射ていたと思われる。 カトウ君が、面識のないグータロウ君にまでメールを送っていたというのには実際、呆れた。自分で考えるアタマを持ってないと言うか、どこまで軟弱なのであろう。ここにセイラさんがいたら頬を平手打ちされているところである。何が不満なのかは判らないが、カトウ君の正体は知れたので、「好きにやっちゃってくれ」というのは、全くその通りだと思う。 ああ、それからグータロウ君、「フジワラに対して平気で暴言はくし、陰で悪口も言うけど」って、陰口言ってたんかい(笑)。おりゃー、正面切って君の悪口は言うけど、陰口は叩いたことないぞ。
『ウルトラマンマックス』第11話「バラージの預言」磁力怪獣アントラー登場。 金子修介が、監督及び特技監督も兼任の一本。一応、『ウルトラマン』の『バラージの青い石』のリメイクではあるが、監督が金子さんでゲスト女優が藤谷文子なんで、なんとなく『ガメラ 大怪獣空中決戦』を30分番組にまとめたって雰囲気もある。古代の伝説の復活って点でもそうだしね。 逆に、『ウルトラマン』の方が『ガメラ』よりも制作年代は古いのだから、『ガメラ』はそれまでの様々な「伝説怪獣モノ」の集大成だったとも言える。やっぱルーツはクトゥルーあたりになるんかな。 それはそれとして、金子監督の登板となると、ちょっとは期待したくなるのだが、オハナシとしては全くの定番で、怪獣の復活、伝説の解明、学会から追放された科学者の娘、遺された秘宝が怪獣を倒す決定打となる、など、悪いとまでは言わないが、あまりにも既視感が強い展開が続くので、改めて面白く見られるほどではない。もちろん、初めて見る子供たちにとってはこれで充分面白くはあるのだろうが。 いつもいつもロボット演技の満島ゆかり、磁気嵐で調子がおかしくなってドモったりするのがおかしいが、東京が麻痺状態になるのは仕方がないとしても科学の粋を集めているはずのUDFくらいは、もうちょっと持ってくれてもいいんじゃないかって気はする。まあ、一番の矛盾と言えば、古代都市バラージを滅ぼしたアントラーが、どうして日本に現れたのか、説明が一切ないことなのだが、このあたりは予算の関係で、古代都市バラージを視覚化できなかったってこともあるのかもしれない。何か今回、ミニチュアがいつにも増してチャチに見えたのは気のせいか? アントラー、一部人形だったし。もっとも、オリジナル版『バラージの青い石』のバラージのセットだって、『ウルトラマン』のために作られたものではなく、映画『奇巌城の冒険』のセットを流用したものだったのだから、昔も今も、特撮とオカネの問題とはままならぬ関係にあるんだねえ。 でも定番の脚本であっても、役者がよけりゃ、もうちょっとワクワクできたんじゃないかと思うのだけれど、藤谷文子はなあ、『ガメラ』のころからたいして演技力、上がってないからなあ。もちっとタメのある演技のできる人の方が、あの役には合ってたと思うんだけれど、多分、金子監督の「人脈」でのキャスティングなんだろうね。チョイ役ならともかく、ヒロインに使うのはどうかと思うぞ。 しかし、アントラーに向かってDASHのメンバーが「このクワガタ野郎め!」「違うよあれはアリジゴクだよ!」と間の抜けた会話をしたかと思うと、字幕で「ANT LION」英語解説が入るのはギャグのつもりなんだろうか? なんか外してるような気がするけどなあ。
今日は、ついに穂稀嬢(ハカセ)の結婚式である。思えば遠くへ来たもんだ(笑)。 実は披露宴でppメンバーで歌を歌わなきゃならない仕儀となっているので、午前中に、ちょいと練習しておこうと、早めに出発、車で鴉丸嬢を迎えに行く。其ノ他君も一緒に来られたらよかったのだが、あいにくと仕事で熊本である。本当に、どうして其ノ他君は来られなかったのだと、一同、臍を噛んで悔しがることになるのだが、それはもうちょっとあとで。 会場の全日空ホテルに到着したのが11時。待ち合わせは博多駅でということだったのだが、もう現地に着いてしまったので、カトウ君に連絡して、直接こちらまで来てもらう。 ホテルのロビーの椅子に座って待っていると、カトウ君がやってくる。手を上げて挨拶すると、向こうも一礼はするが、円を描くように遠巻きに私としげを迂回して、鴉丸嬢の座っている椅子の向こうに回ってしゃがむ。なんか、子犬が怖がって飼い主の陰に隠れようとしたみたいで、おかしい。なんでそんなにビビるかなあ(笑)。 ルーズリーフに歌詞を書いたもの(生まれて初めて作ったカンペ)を配って、歌うパートを決めて、軽く合わせてみる。場所がロビーだから大声では歌えない。カラオケはしげが携帯にダウンロードしたものを使って、音程を合わせてみる。場合によっては駐車場かどこか、大声が出せる場所に行かなきゃならないかと思っていたがまあ何とかなりそうなので、あとはぶっつけで行こう、ということになる。 会場は二階の「万葉の間」。披露宴までにはまだ40分ほど間があったが、覗いてみると、もう、桜雅嬢が来ていた。しげから「ダイエットしてるよ」と聞いてはいたが、本当にスッキリしていて見違えるようである。しばらくお喋りするが、せっかくみんなドレスアップしてるのに、しげが「みんなでこれからご出勤?」とか言うので雰囲気ぶち壊し(もちろん出勤先は中洲である)。 会場前のロビーに「新婦のドレスが何色か当ててください」というカードがあったので、カトウ君と二人で書いて出す。しげと鴉丸嬢は参加せず、「男の子ってこういうのが好きねえ」と珍しい動物でも見るような目で私たちを見るが、せっかくのイベントなのに無視するのもどうかって思うけどねえ。私は一番右側のカードを選んだ。私は視力が弱いので、ほかのは全部ブルーに見えたが、それだけピンクだったからだ。しかし、係員さんのアナウンスがないので、誰もこのカードに書き込もうとしてない。あまりイベントとして機能してないっつーか、どうして段取り悪いかね(結局、ハカセのドレスはブルーだったのだが、どのブルーだったかは私には分からん。私もカトウ君も外れた)。 会場に移って、いよいよ披露宴の時間。パッヘルベルのカノンに乗せて、新郎新婦の登場。未だにこの曲聞くと『エヴァ』だなあと思ってしまうが、あまり幸せそうなシーンでは流れてなかった気がするな(笑)。ハカセはもう、うちの誰ぞが言っていたが、「普段の三倍増し」の美しさである。よくぞ化けた(笑)。いや、もちろん素地がいいから化粧映えするという意味である。 ご新郎は、今回初めて拝見したが、見た目誠実で実直そうな、顔立ちがちょっと俳優の小木茂光か坂田聡に似ていらっしゃる方であった。ハカセより14歳年上ということであるが、二人並んでいると既になんともいえない密なアトモスフィアが漂っていて、結構お似合いに見える。新郎の関係者がスピーチに立つたびに、「こんな若いムスメを」だの「とんでもない魚を釣り上げて」だの、誉めるというより「憎いよコノー」ってな感じで露骨に羨ましがってるものばかりだつたのがおかしい。 プロフィール紹介、乾杯のあとで会食。和・洋・中、好きな食事が選べたので、私は和食、しげは洋食を選んでいた。カトウ君は洋食、鴉丸嬢は和食である。カトウ君、テーブルマナーに自信がないらしく、「しげさん、先に食べてみせてくださいよ」と頼むが、頼む相手を間違えている。「ナイフとフォークは、内側から取るの」とか言うので、「ウソつくな」とたしなめる。でも、食事の間中、カトウ君はチラチラとしげの所作を気にしていたようだ。多少、仕草がヘンでも、別に構わないと思うけどなあ。けど、ボーイさんがパンを持ってきたときに、両手に一個ずつパンを持って、どの皿に置いたらいいか分からず、キョトキョトしてた様子はおかしかった。 お色直しのあと、いよいよカラオケタイムである。最初は新郎の同僚の皆さんがSMAPの『らいおんハート』を歌う。「新郎も一緒に歌ってください」と誘われたので、新郎が席を外すと、すかさずほかのご同僚さんがたがハナヨメの隣に殺到してツーショツトを取りまくるという「仕込み」。いやー素晴らしいなあ、生きてるうちにハカセがこんなにモテてる様子を見られるとは! みんな、「若いムスメ」ってことで幻想見すぎてるぞ♪ 次が桜雅嬢とお友達がKiroro の『未来へ』、そして三番手にしてトリが我々の、“チェリッシュの『てんとう虫のサンバ』”である。 ハイ、そこのキミ、あまりのあざとさに笑ったりしないように。四人が共通で歌えそうな結婚式用の歌って、それしか思いつかなかったなんだよ。ちょうど『エヴァ』繋がりでいいじゃないか。 歌うだけかと思ったら、司会の女性から、いきなり「代表の藤原さんから挨拶を」と言われる。確かに事前の打ち合わせでは、MCは「適当にお願いします」と言ってはいたのだが、まさかフラレるとはなあ。「劇団で新婦はどのような活動を?」と聞かれたので、思わず「主演女優を」と言ってしまう。確かにハカセは出演経験あるんだけど、厳密には「三人主演のうちの一人」なんで、いささか誇張があるのである。でも、めでたい席だから、それくらいのアピールはあってもいいやな。ハカセに「舞台のビデオはもう見せましたか?」と聞いたら、うつむき加減に首を横に振ったので、「旦那さんより先に花嫁さんのセクシーな姿を見てしまってすみません」とか言ってしまう。これも本当はセクシーというよりもちょっと蓮っ葉な役だったんで、やや言葉に工夫をしているのである。まあいずれ旦那さんにもしっかり見てもらえば真実は現れるであろう。もっともハカセが見せる気になるかどうかは疑問ではあるが。 歌はまあ、なんとかトチらずにみんな歌えた。直前に同じテーブルに着いていたハカセのお友達に「出だしのところ、新郎新婦の名前に置き換えたらいいですよ」と言われたので、そこのパートを歌う手筈になっていた鴉丸嬢が、ものすごく眉間に皺を寄せて、口をトンガラセていたのが印象的ではあったが(笑)。 最後に、花嫁がブーケを手渡すというので、会場の独身女性が全員、集められる。当然、鴉丸嬢も呼ばれるわけであるが、カトウ君が「オレも独身なのに」という顔をしていたのがおかしい。普通、こういうのに呼ばれるのは女性だけだろう。 リボンが九本用意されて、そのうちの一本がブーケに結びついているという、縁日のクジみたいな趣向。鴉丸嬢に当たったら面白いなあと思っていたら、本当に当たった(笑)。鴉丸嬢の名前が呼ばれたとたん、私は大笑いし、カトウ君は口をあんぐり開けていたが、ここに其ノ他君が来ていたらどれだけ面白かったことであろうと、不在をつくづく残念に思うのであった。テーブルに戻ってきた鴉丸嬢、「出来レースみたい」と自分も大笑い。「これは私に『芸人として生きろ』ってことか? そうなのか?」といささか興奮気味。あとで聞いたのだが、ハカセ、このとき鴉丸嬢に「其ノ他さんと絶対幸せになってくださいね!」と連呼してたそうだ。確かにこんなに「劇的」だと、これは本当に「さっさと籍入れちまえ」というご託宣なのかもしれない。 披露宴も滞りなくすんで、会場を出る。新郎新婦とそれぞれのご両親が並んでお見送りしてくれるが、ハカセのお父さんが特に一人一人に熱烈に握手をされていた。そこまで感謝して頂かなくても、とかえって恐縮してしまったほどである。よっぽど嬉しかったんだろうなあ。 新婚旅行とかは未定だそうだが、さっさとどこか行き先決めて、ハネムーンベイビーでも作っちゃいなさい。改めてハカセ、結婚おめでとう。
ホテルを出て、博多駅に移動。カトウ君とはここで別れる。どこかで飲み物でも飲みながらおしゃべりでも、と予定していたのだが、夜勤明けで眠かったらしく、目がもう、泳いでいたのである。酒もかなり入っていたから、殆ど酩酊状態である。無事に帰れたのかなあ、あれで。 残り三人で、「紀伊國屋」「GAMERS」を回って、パピヨンプラザの「ロイヤルホスト」でドリンクバー。カトウ君、いったい私と話をしたかったのかしたくなかったのか、ワケわかんないねーなどと話す。こっちは何にもわだかまりはないから、話を切り出さなきゃならない理由もない。やっぱり言いたいことがあるんだかないんだか分からないままなのである。 このあとしげと鴉丸嬢は、ラクーンドッグさんの芝居を見に行くので、家まで私を送ってもらって、そこで別れる。どうして私も付いて行かなかったかというと、そろそろ体力が限界に近くなっていたからであった。
前にも日記に書いた通り、私は結婚式にトラウマがあるので、そこにいるだけで気分が悪くなってしまう。今日は席についたときからずっと、痙攣が起きていて、少し吐き気もしていた。間が悪いことに、ボーイさんがウーロン茶と間違えてウーロンハイを持ってきて、それをうっかり気付かずに飲んでしまったために、頭痛も激しくなった。それで歌まで歌ったのだから、よくやったもんだと自分でも感心するが、いつまでも無理が利くわけもない。部屋に戻った途端、トイレに駆け込むことになったのだが、気分がようやく回復したのは、そのあとひと寝入りしたあとだった。 めでたいけれども、ちょっとばかし疲れる一日であった。
ほったゆみ原作・河野慶漫画『ユート』2巻(集英社)。 ジャンプ本誌では、もう打ち切られて二ヶ月ほどが経っているので、こんなマンガがあったことを忘れてしまっている読者も多いか。まとめて読むと分かるが、これ、ストーリーは決してつまらないなんてことはない。 お父さんの転勤で、北海道から東京に引っ越してきたユート。スピードスケートを東京でも、と意気込んでいたけれども、東京には北海道のような屋外スケートリンクはない(当然だ)。それでもどうしてもスケートをやりたいユートは、万能スポーツ少年の吾川幸太と、スピードスケートの出来るリンクを探し回る。そしてようやく、スピードスケートを教えてくれるクラブを見つけるのだが、そこは同じスピードスケートでも、ロングトラックではなく、ショートトラックを教えるところだった……。 逆境、それでも諦められぬ夢、ライバルの登場、新しい仲間たち、新たな対決など、ほったさんのドラマ構成力は『ヒカルの碁』のころから決してレベルダウンはしていない。じゃあなんで『ユート』がヒットしななかったかっていうと、やっぱり作画の魅力のなさしかないんである。面白いことに、『ユート』のコマ割り、画面構成の仕方は、『ヒカルの碁』と全く同じなのだ。ああそうか、ネームまではほったさんがやってたんだなあ、と思い出して、そうなるとこれはもう純粋にマンガ家の「キャラクターデザイン」「表情・演技の付け方」がこのマンガをつまんなくしている原因だと断定できる。 実際、ユートと吾川の、肝心の主役二人の描き分けが、髪のトーン以外にたいした特徴がないなんてのは致命的である。特にうまくないのは「口の表情」で、パターンが少なく、キャラクターたちはしょっちゅう口が空きっぱなしである。ボケとんかい、こいつらってなもんである。『デスノート』やってるから仕方がないとしても、小畑さんと組んでりゃ、こんなに「華のない」マンガにはならなかったろうになあと、残念で仕方がない。ジャンプ読者も、堪え性がないから、つまんないと思ったらすぐに見捨てるけれども、だったら掲載し変えてでも続けてほしかったなあ。こんなに少年マンガの王道を行くような原作書ける人なんて、めったにいないのに。
2004年09月10日(金) ヤクザな金田一 2003年09月10日(水) 祭りの終わり/『ヒカルの碁』23巻(完結/ほったゆみ・小畑健) 2001年09月10日(月) 憎まれっ子世に……/『RED SHADOW 赤影』(加倉井ミサイル)ほか 2000年09月10日(日) 睡魔と戦いつつこれを書いてます/『星降り山荘の殺人』(倉知淳)
日記の表紙へ|昨日の日記|明日の日記
☆劇団メンバー日記リンク☆
藤原敬之(ふじわら・けいし)
|