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ぱふぱふの森
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2001年11月12日(月)
ソツがなさ過ぎて惜しい「ボーイソプラノ/吉川良太郎」


土曜日は飲茶大会でした。
中華街で買い込んでおいた餃子やら春巻やら肉まんを、一気に皆で食べたのです。
一袋に水餃子50個ぐらい入ってるのに、700円とか、もうバカ安。
お店で食べるのも良いけど、まとめ買いしておウチで皆で食べるのも楽しいですよ。
ちゃんとしたものだし、味もお店のものと変わらないんじゃないかな。
蒸すだけ、揚げるだけ、茹でるだけ、でとても豪華な飲茶になります。
あー、また中華街に買い出しに行きたい…。

しかし、私は客人に風邪をうつされたのか、ひいちゃったのか、熱があるですね。
ううう。でも本は読む。

「ボーイソプラノ/吉川良太郎」

6月2日の日記を見ると、どうも私は作者を毛嫌いしているような印象を受けます。
まぁ著者近影が気に入らなかったのかな。今回も同じ写真を使ってるので、呆れてますが。

さて本作はデビュー作「ペロー・ザ・キャット全仕事」と同じ設定の場所が舞台となっています。
主人公は前作でチラリ出てきた探偵のヴィクトル・デュボワ。
ペローや凄腕のボディガード美女シモーヌなどの人々も引き続き登場します。
今回はタイトルにもなっているボーイソプラノの持ち主アンジェロ君がなんとも初っ端から司祭の
“愛人”という肩書きで狙ってますなぁ。

ストーリーはやっぱり、ごくオーソドックスなもので、新人としては“ソツがなさすぎる”感が強いです。
煮え切らないハードボイルドの出来損ないという印象かな。
前作が“メガテンの香り”がするとすれば、本作は“押井守の香り”。
映画「攻殻機動隊」系などが好きそう。(あくまで映画、ね。士郎正宗ではない)
「犬には犬の意地がある」とか。押井テイストがちらほら。

舞台である、フランスの暗黒街“パレ・フラノ”は、何かというとカブキチョウとか、魔界都市<新宿>に
囚われている話が多いのに飽きている者からすれば、魅力的なイメージがあります。
街の平和を維持するために暗躍するナチスまがいの私設警察や、正体不明のボスである、パパ・フラノ。
雑多なイメージはありきたりかもしれませんが、確かに街がいきづいているような気配はあります。

もう少し、この世界の話を読んでみたいかな。

6月2日に書いた時は、今一つ受け入れられなかったのですが。
すいません、これはそこそこ面白かったです。脇役のオヤジがいい味出してます。

で。その後に野阿梓を読みました。

打ちのめされた…。
ホンモノは違うなぁと思うことしきり。
こういうのを読んで、出直して欲しいよ、全く…。