今日は成人の日らしいね。 自分が振袖買ってもらったり、写真を撮ってもらったりしなかったから、TVで各地の成人式の模様が流れると、いちいち不思議な感じがします。 確かに20歳というのは個人の責任において、社会で認められる年齢なのかもしれないけれど、ハタチ=オトナではなかったなぁ。 今でもあんまり変わってないもんなぁ。
実はこれを書いている今、母が単身赴任しているとある山村(マジ)に来ているのですが、ここのどんど焼はコワかった…。 あんなにプリミティブな祭りをワシは知らんでしたよ。 10メートル近い火柱が…。 柱には巨大ダルマが幾つも括りつけられていて、まさに火ダルマ状態。 その周囲で大人は酒飲んで踊り、子供は餅をあぶって(ちゅーかコゲるわ!)食べております。 さらに書初めが投入されると、火が点いたまま空に舞い上がります。うひょー
…言葉からは想像つかないほどの大迫力っスよ? あー。恐ろしかった…。 雪山を見上げながら、ちょっと疲れてしまいました。
で。それに合わせた訳ではありませんが、近頃ずっと読んでいるのが民俗学系です。
「異人論 民俗社会の心性/小松和彦(ちくま学芸文庫)」
1995年に出た本ですが、今までに何度か読み直しています。 というのも、アホなので理解できる数値を途中で越えてしまい、何度か読んでいる間に少しづつわかるようになってくるからなのです。 読むのは早いんだけどね…。
小松和彦氏は「妖怪学」を提唱するなどで、民俗学では割と柳田・折口とは違った分析をしている人だと思います。 最近は京極夏彦と対談していることも多いので、どこかで見かけているんじゃないでしょうか。
内容は伝承に含まれる「異人」という存在について考証が重ねてあります。 村落などの共同体にある日外界から訪れる異人。ある者は客として歓待され、またある者は侵入者として殺される運命にある異人たち。 彼らは一体どこからきた者なのか? 海外でのフィールドワークからの分析もあって、読み応えあります。
何度も同じパターンが繰り返し語られる昔話や言い伝えの背後には、その社会が背負ってきた歴史的事実が隠されている…という見解は、民俗学を学ぶ人達にからすれば当たり前の事柄なのかもしれないけれど、私は興味本位の門外漢なので、大変面白く読むことができました。
また、この人の語り口は学術書の固さはなく、とても読みやすいです。 (文庫という発表の場も関係しているのかもしれませんが、単行本も割と柔らかめの傾向があるように思います) もう1冊「憑霊信仰論」というのもありますが、こちらもオススメです。
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