きっと どこかで
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2005年11月05日(土) 学校給食指導で不登校になった男子の件

あちこちのHPで話題になっていたので知ったのだが・・。

「時事通信社ニュースより」
広汎(こうはん)性発達障害による味覚過敏で極度の好き嫌いがあるのに無理に給食を食べさせられ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)が再発したとして、大阪市住吉区の小学5年男児(11)が市を相手に330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4日、大阪地裁であった。

間違った給食指導、また、発達障害に対する認識の低さから起こった事件だと思う。好き嫌いの指導は難しい。無理強いしたからと言って治るものではない。その前の保育園の指導もおかしい。給食を食べないとおばけのいる倉庫に入れるなどと言っていたという。

小学校の給食指導の内容は、普通の内容のようだが、味覚過敏に対する配慮、保育園で言われた事へのトラウマについて、十分考慮されてはいなかったように思える。

本来、食事は楽しいものであるはず。我が家の子供達は、食べる事は大好きで、学校でも一番の楽しみは給食の時間であるらしい。それを苦痛の時間にしてしまうとは、子供も先生も大変だっただろう。

教育側としては、栄養が偏ると子供の心身の成長にも影響を与えるとの考えもあると思うが、楽しく自主的に食べるのでなければ、子供にとって、ほんとの栄養にはならないと思う。

好き嫌いを直すというのも、教育の一つだが、その食べ物がなぜその子にとって食べられない物なのか、きちんと理解していないと、難しい。アレルギーによる場合もある。この場合は論外だ。

好き嫌いの問題ではない。食べたら、じんましんがでたり、ショック症状を起こしたりする場合もある。私の中学時代のクラスメートで、海老アレルギーの子がいて、給食で海老が出た時、「私海老アレルギーだから食べられないんよ」と言っていたが、まわりが、(私も含めて)アレルギーというものがどういうものかよく知らず、好き嫌いの強いようなもの、ぐらいにしか考えていなかったので、「大丈夫だよ、食べてみなよ」と勧め、「そうかな、大丈夫かな、食べてみようかな」と食べ、その時は、「ほら、食べられたじゃない」と皆で喜んでいたのだが、しばらくして、「気分が悪い」と言い出し、責任を感じ、私達は保健室へ彼女を連れて行った。

結局午後の授業は、彼女は受けられなかった。授業が終わった後、私達は保健室へ彼女を見舞いに行き、「ごめんね、海老食べられないって聞いてたのに無理して勧めたりして」と謝った。彼女は、「いいのよ、自分で食べたんだから」と言ってくれたが、その時、私は、アレルギーというのは、単なる好き嫌いとは違うんだなあと思った。

今回の事件の男子は、味覚過敏ということらしいが、身近にいないと、また教育者でもこういう子供に対する正しい認識がないと、誤った対応をしてしまいがち。今までこういう事は、表立って議論されることはなかったように思う。好き嫌いの強いもの、ぐらいにしか考えられていなかったのではないか。HP検索してみても、そういう内容を書いてあるものも少なからずある。まだまだ、一般社会の認識は低いなあと思わされる。親の偏食とか、あまやかしからきたのではないかと書いてあるものもあった。

発達障害に対する認識はまだまだ低い。一見普通の子供と変わらないのに、「この子は、こういう弱いところがあるんですよ」という話が、実は発達障害からきているものだという認識をされる人は、少ないと思う。よっぽど勉強している人か、そういう子供を扱ったことのある人か、どちらかでないと・・。

時事通信社ニュース関連サイト


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