声は大きな恋の要素。私を震わす空気の粒がそのまま恋の種になる。はじめて聞く声。なにも揺さぶられない。きっと私はこの男に恋はしない。私が男に惚れるのはその声をずっとそばで聞いていたいと思うとき。たとえ会ったことがなくてもいくらカッコイイことを言っていても聞いていて違和感をもつ声の持ち主とは決して恋に落ちはしない。特に直感ではじまるときは。誰か私のそばでささやいて。そして私をゾクゾクさせて。