ゆうべはなかなか眠れなかった。ベッドの中で何度も寝返りをうってふと、あの人の名前を呼んだ。涙がこぼれた。会いたいと伝えることはどうしてこんなにもむずかしいのだろう。声が聞きたいと思ってもあの人の生活の邪魔になるのがこわくてもうずっと電話さえもできずにいる。こんなふうに人を好きになるのはひさしぶりでどうしたらいいのかわからなくて。ただ、傷つくのはとてもこわくて。片想いで満足できるほどわたしはもう子どもじゃない。