昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2005年03月14日(月) わたしはわたしよ

 そして、今日も朝が来た。ズルズルと午前6時半起床。ここんとこ寒さがぶり返したから、また起きにくくなった。ごはんを炊いて、弁当作りとゴミだしと、今日は晴れるらしいので洗濯。朝は冷たい風がまだ吹いていたけれど、日なたにいれば暖かい一日だった。

 昼から日暮れまで、ひとりでルンルン気楽な外回り。あっちへ寄りこっちへ寄りして届け物をしたり、預かったものを渡したり、どうでもいい雑談したりしつつ、大阪市内を縦横無尽にひたすら歩き、時折、見つけた本屋さんに入ってサボる。ああ楽チン。毎日こうだといいのに。わたしの予見では今週はヒマなはずなのだ、あくまで予見だけれど。
 
 旭屋で多和田葉子の文庫本を買った。「犬婿入り」。これは図書館で借りて、ずいぶん昔に読んでいるんだけれど、こないだテレビで多和田葉子の話を聞いてすっかりファンになったので、本を買って手元に置いておこうと思った。もちろん読むつもりだけど。それから「遊歩人」の最新号をもらう。角田光代が短い小説を書いている。
 
 心斎橋で解放されたので、帰りに何の気なしに心斎橋筋商店街にあるブックオフに行ってみる。いろいろと面白い本があった。嬉しいのは文芸文庫の金子光晴の短編小説集。見かけたら少々高くても買おうと思っていた。500円。
 後藤明生によるゴーゴリ論も嬉しい。後藤明生は本当にゴーゴリが好きなのだなあ。一緒にソビエトに渡った時、後藤明生がゴーゴリの墓にどうしても行きたがって困った、僕は誰のものであろうと墓など見に行きたくなかった、と古山高麗雄が書いていたのを思い出す。ゴーゴリの墓の前に立った途端、後藤明生は感激のあまりオイオイ泣いたそうだ。ゴーゴリの文学に触れて感動することはあっても、その墓の前に立って泣く、という気持ちは僕にはわからない、と古山高麗雄はどこまでもクールで、このくだりを思い出すといつも可笑しい。
 吉行淳之介が編んでいる「酔っぱらい読本」2冊をそれぞれ100円で。酒に酔う、をテーマに東西の作家の文章を選んである。チェーホフや吉田健一もある。
 それからTのために松村雄策を。この人の本を集めているそうなので。

 収穫を抱えて帰宅。宅配野菜の整理を行う。ゴボウがダブついてきたので、これを使って適当に料理を作る。今日はNさんにお手製のいかなごの釘煮をもらっていて、これでチビチビ焼酎を飲んだ。いかなごが出てきたってことはいよいよもう春なんだ。

 夜。文机の上に、村上春樹の「海辺のカフカ」の文庫本を発見。Tが買ってきたものらしい。先に読んでもよい、という許しが出たので、こんなものを読んでいる場合かしら、と思いつつ、読み始める。うーん、どうなんだろ。導入部分は常套手段だな、という気もするが。
 寝る前にはっさくを食べる。掌に蜜柑の匂いがはりついた。

・購入物:多和田葉子「犬婿入り」(講談社文庫)
     松村雄策「リザード・キングの墓」(角川文庫)ここから古書
     後藤明生「笑いの方法 あるいはニコライ・ゴーゴリ」(福武文庫)
     金子光晴「風流尸解記」(講談社文芸文庫)
     吉行淳之介「自家謹製小説読本」(集英社文庫)
     吉行淳之介・編「酔っぱらい読本 壱」「酔っぱらい読本 弐」(講談社)

・朝食:ごはん、梅干、海苔佃煮、卵焼き(お弁当のために焼いた残り)、おからの煮物、水菜の漬物
 昼食:お弁当(ハンバーグ(湯につけるやつ)、卵焼き、ミニトマト、蒸しジャガイモ、ごはん) 
 夕食:豚肉とレンコンとゴボウの炒め煮、ほうれん草の辛子ゴマ和え、湯豆腐、いかなごの釘煮、焼酎お湯割、ごはん


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