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過去のトラウマ日記
なぎさ



 クリスマスイヴ

イヴの日の楽しい思い出、って。

どう考えても浮かばない。


子供の頃?

目が覚めてプレゼントがあったのは、小3の時。

それきり。

一生に一回のプレゼント。




うちには、サンタは来ない事を知ってたし

もう期待なんかしてなかったけど

起きたら、トランプがあった。

包装紙に包んでない、

柄も可愛くない普通のトランプ。

そうそう、マジックで使うような普通の柄。


で、弟の部屋を覗いたら、

これも包装紙に包んでいない、コマがあった。

独楽、コマ。




食卓で、その話題に触れなかったら

父から持ち出してきた。

『サンタが来たやろう?』




・・・・・・・・。



アホか。

今の今まで、

サンタは、外国にしか配られへん、とか言ってた癖に。

サンタを信じてた4才の時のあたしに

他の家は、親がプレゼントをやって甘やかしてる、とか言ってた癖に。

なんで、今頃、サンタがトランプ?

笑えるわ。

どうせ、パチンコの景品やろ。

たまたま勝ったか知らんけど。




そういう思いが、態度に出たと思う。

気にいらんのやったら、捨てろ、と発狂してきた。

立ち上がってた父は、ちゃぶ台を足でひっくり返した。

又か、と。

そこに座ったままのあたしの襟元をつかんで

後ろに突き飛ばした。

酒を飲んでなくてもこうだ。

で、いつものごとく、団地中、響き渡る怒声の中

あたしは、父が疲れるまで、殴られ蹴り続けられた。



あたしが殴られるのは、理由が分かっている。

「子供らしくないから」

母がそう言ってた。

可愛くいろ、と。

夢も希望もない家庭で、どうやって可愛くいれる?

どうやって子供らしくいれる?

「わぁ、サンタが来たよ」と喜べばいいのか?

しらじらしいやろ、あたしが言うと。




あたしは、子供の時は頭がよかった。

父が間違ってることも、母のごまかしも

全部見抜いていた。

それがあかんのか?

アホすぎる大人を見透かしてるのがダメなんか?

弟は頭が悪かった。

そして、暴力が始まると、逃げて隠れた。

だけど、あたしは、立ち向かった。

どんなに殴られようとも、目をそらさなかったし

泣いたり、喚いたり、逃げたりしなかった。

だから可愛くない。

あんた達みたいな親に屈服するのが嫌やねん。

殴られてる方がましやねん。




あたしのクリスマスの思い出は、それっきり。

ケーキもない。

プレゼントもない。

チキンもないし、ごちそうもない。

誕生日も然り。



だからあたしは、誕生日も、クリスマスも大事に思わない。

全然、大事に思わない。

人が浮かれてると、アホかと思う。


子供時代を、こんな家庭で育ったからかもしれない。



去年、やっとクリスマスツリーを買った。

子供が生まれてから、5回目のクリスマスに、やっと。

結婚してる間の10年間も、買ってない。



子供が通う幼稚園はキリスト教。

この年ながら、クリスマスの意味を知っている。

そして、サンタが来るのを待ちわびて

よい子でいようとしている、5歳の娘。

もう少し、信じさせてあげよう。



そして、あたしも楽しもう。

プレゼントを開けて、喜ぶ子供の顔を見よう。


クリスマスの思い出は、この子と一緒に作っていこう。







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これが、又、恋を失くしたあたしにぴったり。(笑





by なぎさ



2004年12月24日(金)
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