戦後最大級と銘打った台風が日本にきていた時、僕は出張で札幌に居た。 札幌には9/30から居て、10/1の夕方の飛行機で東京に帰る事になっていた。
そんな僕の事情とはお構い無しに、夕方に台風はちょうど関東地方に上陸していた。 もちろん、羽田への飛行機は全て欠航になっていた。
「名古屋へは飛んでいますので、まず名古屋へ行かれて、 それから新幹線で東京に帰られてはいかがでしょうか?」 とJALのグランドホステスは言った。 「じゃあそれでお願いします」
名古屋空港に着陸し、直通の空港バスで名古屋駅まで行った時には、 東京行き新幹線は、最終の「のぞみ」だけしか残っていなかった。
「東京−小田原間がまだ正常に運行されていないので、 東京到着は1時前になると思われます」 と車掌は言った。 「でもいいです。それをください」
「ビジネスマンしてるなぁ」 のぞみの17Eのシートで僕はこういうビジネスマン的行動に、 ちょっとした高揚感を感じていた。 そして、こんなことに高揚感を感じる自分を若いな、と思った。
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