Makkie!の日記
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ある人から毛蟹を頂戴した。 お土産屋なら1パイ 8000円は下らない立派な毛蟹である。 というわけで、今日の晩飯は蟹オンリー。
毛蟹はハサミと箸で食す。蟹用の道具などは必要ない。 まず、蟹の手、つまりハサミの部分を胴の付け根から捥ぐ。 ここは一番複雑で剥きづらいところだ。 あきのこないうちに最初に解体する。 次に脚を同じく付け根から捥ぎ取りながら 殻の柔らかい部分に縦にハサミを入れていく。 身を剥き出したら、エイヤッ!と一気に啜る。 蟹の汁気とキメ細かな繊維がお口いっぱいに広がるのだ プリンプリンした食感と蟹の味を堪能する。
ずっと食べてると蟹の味もボケてしまうので、ビールを飲みながら食せば、 あら不思議、どちらの味も引き立つではないか!
このとき我々は、蟹ではなく「幸せ」を味わっているのではないかと 誰もが思うのだ。
脚が全部無くなり、胴体だけになった蟹に合掌し、解体する。 蟹という生物は、良く見ると実にグロテスクである。 腹の部分はB級映画のプレデターにも似ている。 しかし、そこにこそ一番旨いものが詰まっている。 腹と甲羅を手で引き裂く。灰色の不気味な鰓の間と 甲羅の上部には茶褐色の、いわゆる「ミソ」がある。 こいつを甲羅の方へ全部かき出しておく。
脚の付け根の部分の身は、歯ごたえが増す。 箸で洞窟部をつつきながらじっくりと味わいつつ、 甲羅のミソの上にも被せてやる。
さて、いよいよクライマックスである。 よく冷えた冷酒を少しだけ甲羅にかけてやろう。 箸でミソと身をかき混ぜ、そいつを一気にお口に流し込んでやろう!
目を閉じて、よく嗅ぎなさい 目を閉じて、よく味わいなさい 目を閉じて、喉越しを堪能しなさい
蟹さん蟹さん、あなたの命、無駄にしませんでした。 心の底からありがとう。御馳走様でした。
・・・臭くなるんで、とっとと殻は捨てましょう。ポイッ!
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