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ZS日記 「 海 」-番外編・・・・・tako - 2003年08月15日(金)

「盂蘭盆会」

花屋の店先に並ぶ、とりどりの色の片隅、
大きな葉の陰に、赤い小さな紙風船。
少し破れて、中から丸い実が覗いている。
「これも…ね」
「一緒にたのむ」
レジの前に置かれた何種類かの花と一緒にそれは束ねられ、
金を払った俺たちは店を後にした。


「この暑さじゃお花も一日しか持たないわね。可哀想だけど…」
持ってきた花を切り揃え、手桶の水で満たした花立てに活けながら
小さな溜息を落とすナミ。
黙って掃除を手伝っていた海も、「そうだね。」と呟いた。
「でもお母さん、お花好きだったから…」
海の言葉の中の、戸惑いの色に気付いたナミは、
「海はやさしいね。」と言ってにっこり笑い、白い竜胆を手渡した。

暫く考えていた海は、ホオズキの横にそれを挿し込み、
やがて跪くと、小さな手を合わせて祈った。

幼い息子を残して逝った女性(ひと)の眠る場所を、
季節ごとに3人で訪れるようになって、もう何年…
薄れていく記憶の中で、
やはりその人は海にとって大事な母であり、
俺たちにとっても大事な人に変わりはなく…


短かった夏の終わりを告げる涼風が、
ホオズキの風船を一つ揺らして、通り過ぎた。






了






※連載の途中で脱線してしまいました。ごめんなさい。
 次回からは本編に戻ります。


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