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ZS日記 「 海 」-12・・・・・kisaragi - 2004年06月15日(火)

軽やかな足取りで、インテリアコーナーの目的の場所へと小さな背中が急ぐ。
時折振り向くのは、ついてくる人間の存在を確認したいからだ。

その存在が消えていなくなるということを考えもしない、
ただ前の目標だけを見つめる子供の傲慢さがそこにはない。
無くす事の恐ろしさを知っている海に、遠い日の自分を見ながら、
少しだけ歩幅を広げて小さな彼の横へと並ぶ。

「さっき、いくつか持ってたよなぁ?」
「う〜んと・・・・・これと、これと・・・これっ!ねぇ、サンジはどれが好き?」

にっこり笑って差し出されたのは、3種類のカーテン。

明るい緑の少々間抜けな顔付きがご愛嬌な恐竜模様。
オレンジがかった黄色が温かな印象の車模様。
そして、淡い水色の生地の裾に、青系のグラデーションでシンプルなイルカが踊るものだった。

どれも子供が喜びそうなものではあったけれど、
カーテンが風に戦ぐと、青いイルカが波間を跳ねるようで涼しげで楽しそうだなぁと思う。

うん、おれだったらこれかな。これだなぁ。

だから素直にそう言った。
「俺は、こいつが好きだけど、でもな?海が一番楽しい気分になれそうなのを選べよ。
イルカのダンスも楽しいけど、恐竜の行進だって悪かねぇ」

むむっと考える顔になるのに、バレないようにクスリと笑う。

買物ってのは、迷うからこそ楽しいんだぜ?
一緒に買物をするってのは、沢山迷うのを楽しみ、且つ相手の迷う姿を見て楽しむってもんだろう?

幸い昼食を取ったばかりで燃料は満タンだ。
後ろに控えるマリモはこの際置いておくとして、とことん海の「買物」に付き合ってやろうと思った。




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