囁き
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2001年07月05日(木) 月蝕

 部分月蝕を見てきた。今世紀初めて見る月蝕。去年の七月の後半だっただろうか、皆既月蝕(だったと思う)があったよ。そのことを、思い出した。

 元カノと付き合ってすぐのことだった。あいつは家のベランダで。僕は家の近くの小高い場所で。携帯で電話をかけながら。色々と話していた。あいつは、家の人達も見に来ていたし、僕は、見物客がたまに来る(母さんと妹も来た)。それでも、色々と話ながら、見ていた。静岡と横浜。遠い場所で、同じものを見れるのが、少し嬉しかったことを思い出した。
 唐突に、向こうが泣き出した。涙声の向こう側に、酷く驚いた。
『なんか、凄く幸せだって思って・・・』
 僕は、その言葉に微笑んだ。側にいたら、強く抱き締めていただろう。愛の言葉を囁き、月蝕が終わるまで見ていた。
 そのとき『彼女』は、元彼が友達と飲みに行ってて、電話が出来ずになんか文句を言っていたと、後で聞いた。

 ふと、思い出した。あれから、もう一年近くがたとうとしている。
 なんの考えもなしに、『きっと忘れない』が口から流れ出した。その歌は、最初に僕が元カノの誕生日に歌った曲。僕達の仲間内では、誕生日にその歌を歌うことが多いから、元カノにも歌った。そのときは、まだ付き合ってなかった。それが・・・というより、その日がきっかけだったんだろうと思う。
 次々と出てくる歌。『TOO MUCH PAIN』。『OH MY LITTLE GIRL』。『僕が僕であるために』。元カノに歌った歌と、別れの歌が交互に出てきた。
 『僕が僕であるために』。元カノに捧げる歌。本当に、ね。
『心擦れ違う悲しい生き様に 
 ため息漏らしていた
 だけどこの目に移るこの街で
 僕はずっと生きていかなければ
       (中略)
 馴れ合いのように暮らしても
 君を傷つけてばかりさ』
 幸せを感じて泣いてくれた彼女とは別れ、別の人を愛している今。それほど、幸せを感じてくれているのだろうか・・・ふと、思う。
 帰り際に口に出た『I LOVE YOU』。それだけは、『彼女』に捧ぐ・・・

 そして、言ってなかったね。当日に歌ったし、思っていたけれど、ここには書いていなかったよね。

 誕生日おめでとう。これからも元気でね。


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