囁き
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2001年08月03日(金) 『彼女』と会う

 向こうの大学関係でしばらく待った。待つのはあまり苦にならない。回りの視線さえ気にしなければ・・・それとMDか本さえあれば・・・3時間程度は待つことは出来るだろう。待ち合わせの時間から一時間半が過ぎ、『彼女』は来た。いま考えれば・・・そして、後で彼女に指摘されたのは・・・態度がどことなく硬かっただろう。
 そして、友人夫婦の家へと行った。あらかじめ決まっていたことで、生まれた子供の顔を見るためだった。そして、二人の暮らしもね。生まれて一ヶ月と少ししかたたないその子供は、本当に小さく、壊れそうだった。抱き上げることにすら、僅かに不安を感じてしまうほど。僕は、人よりも力は強い。その制御が出来ているかどうかはわからない。本当に不安になった。それでも、抱き上げると柔らかくて、小さくて、暖かかった。子供は好きだ。見ていて少しでも幸せな気分になれる。

 その夫婦の家(厳密に言えば奥さんの方の実家)から帰る。二人でホテルに向かった。僕は脱水症状気味で、『彼女』は街と人ごみに酔ったのだろうか、二人とも体調が悪いままだった。それまで、出きる限り接触を避けていた僕は、このホテルでも接触を避けるつもりだった。向こうもそう考えていると思ってた。けど、ホテルで『彼女』は抱き着いてきて、顔をむにっと引っ張った。少し離れた。
「どうするの?どう考えたの?」
 僕の言葉に、悲しそうな顔をする。
「いまその話するの?」
 終わりだったんだ、やっぱり。そう思った。けど、答えが出ていないって言った。僕は別れを告げようとしていた。言えなかった・・・
「このままやっていこう?」
 頷いた。抱き締めた。強く、強く・・・
 お互いが深く考えすぎてるだけなのかな?二人が背負うものを、出来るだけお互いが多く持とうって考えあってるような気がする。もっと単純に考えればいいだけなのかもしれないね、お互い・・・

 向こうが先に眠り、僕は暗闇の中一人色々と考えていた。これでよかったのかどうなのか・・・あの子の命日の日。心の中でいつもこの日に歌う歌を歌って、最後に呟いた。もう、いいだろう・・・きっと、ね。

 さよなら。ありがと。


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