ラスベク変換
DiaryINDEXpastwill


2003年04月01日(火) 黒木さんと盛田さんの関係

 昨日の続きのような話です。

 私が以前の会社を辞めようと考えていた時に、たまたま読んでいた本がありました。
 ビジネスマンのための「個性」育成術。黒木靖夫著。
 NHK出版。ん?NHK?あら、まぁ。

 黒木さんは以前にソニーにお勤めでした。
 では、黒木さんの文章をひとつ。

 私が20代の頃の所属課長は、上層部の前で「黒木は猪突猛進するから持て余している」と評価した。確かに当時の私はソニーの中でも異端児だったから、管理者も苦労したらしいが、猪突猛進というだけで私に対する課長の評価は減点されたのだ。正しい評価とは、「本人が何をしようとしているのか」「何をしたのか」という二点だけの得点主義で行われなければならないのに、そうはなっていない。異端児といわれる人たちは、「何をしようとしているのか」という計画段階で既に潰されてしまうことが多いから、「何をしたのか」という実績がなかなか上がってこないのである。
 盛田(当時の社長)のように「石橋を叩き割るな」とか「判断つかない時はまずやってみろ」とか「失敗したら元に戻ればいい」と言ってくれる経営者はそう多くはない。私はソニーでいろいろな仕事をさせてもらい、中には成功例も少なくないのだが、正直に言えば私に才能があったというより、好きに仕事をさせてもらったからという理由の方がはるかに大きいと思う。どんなに才能があろうと、場を与えられない限り力を発揮することは不可能である。そういうところでは人材は育たない。

 これを読んで、どことなく自分に似ていると感じました。
 いや、ほぼ同じだと感じました。才能のあるなしを除いて。
 私も好きなように仕事をやらせてもらっていました。
 ところが、当時の常務が自分の経営手腕の無さを従業員から指摘されるのを恐れ、いきなりピラミッド型の「組織」とやらを強調し出して、自由な発言を禁止にしたのです。
 もはやこの時点で世の中はピラミッド型組織の崩壊を迎えていました。
 そのいい例は、モーニング娘。です。リーダーはいるけれど、誰もがリードボーカルを取るし、誰もがセンターで踊る。横に広い組織形態。
 そんな時勢に逆行し、当時の常務はピラミッドを構築しようとした。形だけ。
 この時勢に逆行する、奇を衒ったことを好む思想が会社の経営基盤をボロボロにしたのですが、本人は全く気付かなかった。
 しかも、組織などという形を構築するほどデカイ会社ではない。零細企業。
 私は身動きが取れなくなりました。
 でも、一応サラリーマンですから、それまで十くらい進言していたところを三くらいに押さえていた。
 ところがこれがいけなかった。
 我慢の限界が来て、とうとう大噴火、です。

 それから半年。
 冷飯を食いました。
 そして、仕事とは関係ないことで非生産的な攻撃を受けて。
 勤続10年のその日にめでたく会社を辞めました。

 この度、前出の常務が社長になったそうです。銀行命令により3月1日付で。
 しかし、1ヶ月経った今も、従業員のほとんどはその事実を告げられていないそうです。笑
 取引先には連絡して、従業員には知らせない。
 すごいでしょ。爆笑
 この会社、父、母、息子の同属企業なので、自分の家が安泰なら従業員はどうでもいいって考えなんですけどね。

 その腐ったところを何とか是正したいと十年間もがきましたが、駄目でした。敗北。






↑エンピツ投票ボタンです ポチッと押して

My追加


 前出の常務は私の友達。だから、何とかして欲しいと常務に請われて入社したんですけど、依頼主の常務さんの頭が逝かれてしまった様です。


久方 堕世 |HomePage

My追加