外へ出すヒト、内へ篭るヒト。 - 2002年04月03日(水) この間の土曜日曜と さんざ私をひとり占めした彼女。 毛布だけで眠ったせいか 週なかばから風邪引きさんで声が出ない私。 先週の、金曜日の夜。 「やけ酒に付き合って」とメールをもらい 軽い気持ちで電話をしたら あの恋が終った、とのこと。それはびっくり。 土曜も私は出勤だったので仕事帰りに彼女の家へ。 最初はわりとしっかりしてたのに 話は彼女と彼の出会いの頃に遡り 長い長い思い出を手繰るうちに ぽたぽたと涙がこぼれて。 別れた彼女の恋人は 高校の時の彼女を知っていた。 高校の時の同級生で、大学のときから既に遠距離恋愛。 私も長いと思ってたけれど、彼女のほうが長い。 いつもとりとめのない話ばかり、 しかもそんなに口数の多い方ではない私たち。 今回初めて、彼女は、話すタイプなんだなあ、と分かった。 つらい事があったら 聞いてもらうことで立ち直ろうとするタイプ。 私は文字通り聞くことしか出来ない人間なので 彼女のグラスが空けばお酒を注ぎ 自分のグラスが空けばお茶を注ぎ 「うん」「ふうん」「あーそうだったんだ」くらいしか 相槌すら打たずにずっと話を聞いて。 「ほかに守りたい人がいるんだ」と言われた彼女。 私だったら別に何も言って欲しくないので 何も言わずに「そっか」と言ってまたお酒を注ぐ。 代りに怒って欲しいとか なにか慰めの言葉をかけて欲しいなら 私を呼び出したりはしないだろうから、何も言わない。 口にしたお酒が そのまま目から溢れて来てるんじゃないかと思うくらい たくさんのたくさんの涙。 そのまま喉を震わせているんじゃないかと思うくらい たくさんのたくさんの言葉。 疲れて眠る彼女があまりにも小さく縮んじゃったようにみえて 翌日も彼女の家で過ごす。 なかなか起きてこない彼女をそっとして 前夜の食器を洗ったり 整然と並んだナショナルジオグラフィックをめくったりしながら ほんと、タイプが全然違うとおかしくなった。 今夜こそ、何かものを食べさせなければ。 私が東京を空けていた時から お酒しか飲んでいないに違いない。 私以外の誰かを、話に付き合わせながら。 私には、絶対できないこと。 辛い、と思った時に、 辛さをそのまま口に出すこと。 悩みも悲しみも 抱えると私は内に篭る。 いつも思い浮かぶのは、龍の姿。 龍が悲しみを抱えると、卵になって姿を消してしまう。 ひとり、部屋で丸くなっている時 同じように丸くなっている龍を想う。 親しくなればなるほど 怒りさえ内に抱え込んでしまう私は 周りから見れば可愛くないだろうなあと思う。 こうやって、 泣き疲れた彼女を見ていると 心配だし、そばにいてあげたいと思うけれど、 内に篭っているときの私をみて 誰がそばにいたいと思ってくれるだろうか。 ...
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