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悪気はなかったのに。 - 2002年06月07日(金)

この世の中で1番嫌いな言葉だ。
「悪気はなかったのに、どうしてそんなに怒るの」

愚問だ。
問題なのは自分に悪気があったかなかったかでなく、
相手が気分を害したかどうかだろう。
人を傷つけても、悪気がなかったならいいのか。
悪気なく傷つけたのなら、謝る必要はないのか。
私は絶対に、そうは思わない。

同じようなジャンルに、「許す」という言葉が在る。
これは、私は非常に観念的な動詞だと思っている。
ほんとうは、人を傷つけた場合、「許される」ことはないのだ。
本来は、ものすごく狭い範囲、
「罪を許す」くらいにしか正しい意味では使えない言葉。

けんかをする。原因は私に在った。仲直りが出来た。
これが、一般的には「許してもらった」という状態。
でも、私が相手を傷つけたことは消えていない。
相手はそのことを思い出すたび
きっと気持ちが暗くなる。辛くなる。悲しくなる。
ただ、傷つけた私を嫌う気持ちよりも
楽しく話せる私を選んでくれただけのことだ。
傷つけたことも、傷つけられたことも、なくなってない。
ただ、考えないようにしてくれるだけのこと。
相手の、好意で。

1度相手を傷つけたなら
「許される」なんてことを望んではいけない。
ましてや、
「悪気はなかったのに
 どうしてそんなに怒られなくちゃいけないの。
 そこまで怒られることをしたとは思わない。
 そんな風に言うなんて、キミはひどい」なんて
ばかじゃないの。あんた。

自分のしたことがどれくらいひどいことだったのかは
傷ついた方が決めるべきことで
傷つけた方が相手の痛みを推し量るなんて言語道断。
人を車で跳ねて、痛がって転がる相手に
「スピード出してなかったから、
 そんなに痛いはずはないよ?」と言っているようなもの。

相手の気持ちが静まるまで
どうしてそっとしておけないのか。
相手が忘れてくれるまで
どうしてひかえていられないのか。
相手が自分のよいところを思い出してくれるまで
どうして待っていられないのか。

ひとはそれを、逆ギレという。
この世で1番醜い行動。



...

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