想
目次|過去|未来
緩やかに。 そしてたぶん確実に。 時間が流れてゆくごとに、 自らを制しきれなくなってゆく。 箍が外れ、自由になり、開放され。 それは本当に少しずつ進んでゆくのだけれど、 気付いたときにはもう岸辺は遥か遠くにあって、 いくら手を伸ばそうと、声を張り上げようと、 もう元のように救われることはない。 地にしっかりと足をつけて、 自らを支えることも、 もう、今の僕には、 できない。
支えを求めるのは、あまりにコドモじみた行為だ。 今となっては。
自分の他の何かに頼ろうというのが間違っている。 今となっては。
何も知らない素振りをしよう。 何も見ていない振りをしよう。 それも。 今となっては。
誰かが雁字搦めにしてくれるのを 、 ただ此処で待っている。 この身の全ての力が奪われるのを、ただ此処で待っている。
卑怯の烙印は承知の上。
求めることを蔑むのも、 求めることを恐れるのも、 自分の弱さの為せる業でも。
どうしても、赦せないこと。 今となっては。
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