想
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2002年03月03日(日) |
世間は雛祭だというのにこの絶望は何処から来るのだろう |
やさしくして。
彼女はそれを望んでいるらしい。
あたしを慰めて。 独りにしないで。 強く抱き締めて。 まだ信じさせて。 心ごと、抱いて。
そこで彼女が言うことは。
これ以上近づかないで。 束縛されるのは絶対に嫌。 何もかも、もうたくさんなの。 止めましょう? 未来なんて見えない。 心なんて何処に在るの? 「誰か」の方がいいんでしょう? あたしの何が、そんなに欲しいの? 必要な人間なんて、いるわけない。 好き、だなんて、今さら思えないのよ。 所詮みんな同じなんだから。 その、躯を、頂戴。
いい加減、疲れてしまったね。 それでも彼女と離れるわけにはいかない。 ある日突然、目の前に現れて。そして。 心を掻き乱すだけ乱して、帰っていく。 時にはしばらく此処にいて、 人をどん底に突き落としてわらっている。 少し哀しそうな顔をして、 わらっている。
壊れてしまいそうになる。
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空気のようにただ其処に在るだけの生き方。 他人を望まない生き方。 まるで、死んでしまった様でもいい。 ただ、其処に在るだけの生き方。
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