登録しているエージェントは翻訳だけを扱っているところも あるけれど、それだけじゃないところも多い。 そのことで、やや苦いような、でも楽しいような体験をしたことを 最近思い出しました。
大阪のエージェントのもとに飛び込んだのは、遠方の都市で開催される 展示会のブースに座る「通訳コンパニオン」だったそうです。 けれど、登録者の中に、現地で通訳として座れる人材はいなかったそうで その旨を伝えると、「英語ができない人よりは、多少わかる人のほうが いいので、どなたかお願い」という注文に変わったそうです。 そこでうちに連絡が入り、 「英語はあまり話せませんよ」「それでいいそうです」の話で成立。 2日間ブースに座ることになりました。
翻訳を始めて以来、接客の仕事とはご縁がなかったので、それなりに おしゃれをして、緊張しつつもワクワクしながら出かけましたら、 いきなり「通訳さんが来ましたよー!」と言われました。 「えーっ!」 便宜上の呼び名だと思いましたが、一応、通訳専門じゃないってことを はっきりと伝えましたら、「いいんです。座っていてくだされば。 お客さんが来たらパンフレットを差し上げて、名刺をいただけるよう ならいただいてください」と言われ、ほっとしました。
展示されていたのは、ある大掛かりな機械製品。 オープンになった会場を見れば、外国人のお客様が半分近い。 私の担当ブースに現れたお客様もやはり外国の方で なにやら製品の説明を求めてきました。 「**さーん、通訳お願い!」
し、しまったー、やっぱり来たじゃないか。 社長さんが説明する機械の構造を必死で英語に訳して伝えました。 当社製品は、この刃の部分をフレキシブルに動かせるのが特徴です、 寸法は**センチで、従来よりも〇×〇× etc ・・・ 工業英語・技術英語をやっていたのがすこーし役立ちました。 でも、もう焦りまくりで、1時間の昼休みの間に、聞いたばかりの 説明と、パンフレットに書かれた内容を、英語に訳してノートに 書きまくって暗記しました。ほんとサバイバル。
午後からの説明ではそれを思い出しながら言いまくったのですが、 問題は、質問されたとき。相手の質問をなかなか聞き取れませんでした。
しかし説明の末、「購入したいのですが」という話になったときは 感動しました。(もともと買うつもりで来た人だったんでしょう(^^;)) その先の相談は、貿易英語を少し勉強したことがあったことが役立ちました。
とにかくあまりの素人ぶりに、申し訳ない気持ちだったのですが、 来年もきてくださいねと言っていただけて嬉しかったな。 調子にのって(笑)、通訳の勉強をしておこうかと思ったほど。 でも、その後すぐ、まったく違う地域・・・しかも田舎に引っ越したので、 コンパニオンは、ふたたびご縁のない仕事となりました。 英語もやっぱりほとんど話せないままできてしまいました。
こうやって口頭で話す英語を勉強していると、 頭の中に、催しもの会場を手伝う仕事、というビジョンがないでも ないんですよね・・・。1日〜2日の単発もの限定という条件で、 とうとう派遣会社にも登録してしまったし(語学無関係)。 子供が小さいために、とにかく翻訳ばかりしていた私も、 今は少し外に出たくなっているのかもしれません。
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