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2000年09月13日(水) 約束の日

約束の日が来た。
2000年9月13日。
セカンドインパクト。
メディアはまるで何事も無かったかのように平穏を装う。
だが神との接触実験を窺わせる事象はあった。
東海地方を襲った大豪雨。数百年に一度という豪雨によって名古屋市の一部は水没した。この地域に限ればセカンドインパクトは予言通り起こったのだ。
おそらく同日、岐阜と滋賀県境に位置する伊吹山にてヤマトタケル尊のサルベージが試みられたと思われる。
「古事記」によると景行天皇の子、ヤマトタケル尊は天皇に逆らう荒ぶる神々平定のため蝦夷地討伐の帰路、伊吹山にて邪神との闘いに破れ、失意のうちに死んだと記されている。
おそらくその遺体が三重県北部の山中に葬られているはずだ。
神話に出てくる神々の大多数は第一先住民族の残した「超越した存在」、使徒と称されるものと推測される。
あるいは巨神兵の類であろう。
古代人はその神を操り、国家平定を果たしたと考えるのが合理的だ。
今、この聖なる神国日本を「あるべき姿」に蘇らすには日本の神話の中で最も強力な神、ヤマトタケル尊を復活させることが必定命題なのは明らか。
どんな犠牲を払ってもだ。
神との接触実験がいかに危険かは阪神大震災で実証済み。しかしこれを避けては我々の未来はないのだ。
ヤマトタケルが死に至ったのは霊剣草薙の剣を失ったのが原因とも言われる。
まさにロンギヌスの槍のオリジナルほどの価値はあろう。
9月12日から13日にかけて、その捜索とサルベージが行われたに違いない。
その過程上、何らかの原因でヤマトタケルのATフィールドが展開、あるいは結界が伊吹山中心に張られ、東海地方に時空の乱れを生じ、通常あり得ない水蒸気の収束が発生して大豪雨となったのだ。
豪雨の最中、伊吹山方面に巨大な翼を広げた「光の巨人」を見たという噂がある。
「古事記」によるとヤマトタケル尊の死後、彼の魂が1羽の白鳥となって空高く跳び去っていったと記されている。
覚醒と解放!
まさに第一使徒アダム復活と同じ。
セカンドインパクトはやはり予言道り起こっていたのだ。
しかしこれはすべての始まりに過ぎない。
やがて来るサードインパクト。
不要な身体を捨て、すべての魂を新たなるステージへ昇華させる神の儀。
魂の座。
人類補完計画たるヒトゲノム計画。
使徒たる神々をサルベージし、復活させる人類史上最大の極秘プロジェクトはいよいよ佳境に入った。
欧米各国もこのセカンドインパクトを見過ごしてはいない。
神を手にする者が全てを征するのだ。
すべてはこれからだ。


絶望皇太子