transistasis
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2001年02月02日(金) 林檎とケヤキ

カリスマ的人気を誇る22歳の唄姫が選んだ一つの結論。
バックバンドのかっこいいギタリストの子を宿す事。
三文恋愛小説さえもう題材にしないような陳腐極まる「お約束」で彼女の神話は成就する。
誰がこれを嘆こうか。
彼女の語る呪文は巧みにも何か斬新なものを見せてくれそうで・・。でも子宮は嘘をつけずに真の女の有り様を曝け出す。
場末の酒場で酔いつぶれる女給もバンド追っかけの女高生も摩訶不思議な詩で人を魅了する唄姫も自らの子宮が放つ真の衝動に生きるしかないのだ。
一見、従来の女のあり方から脱却するような錯覚をその詩にシンクロさせてみたもののそれは幻のごとく虚空に消え行く蜃気楼であって、沈黙によって語り継がれた子宮の波動から逃れられる婦女子は誰一人として存在しない。
存在しない幻を唄姫に語らせ、人々を欺かせる手管は幾度となく繰り返されたが決して子宮のもつ神聖たる胎内からの反撃には耐えられなかったのだ。
何千億の欺きの言葉も月に一度流される血によって全てが浄化される。
それが女の真理であり、アマテラスたる聖母から与えられた大地の摂理だ。
転生輪廻の機関部が聖なる子宮であり何人もこれを犯す事は出来ぬ。
だが邪教徒はその神殿をも汚そうとする。

東京新宿百人町にある樹齢200年のケヤキを伐採するか否かでもめているという。たかだか都営住宅建て替えのために。
伐ってみるがよい。
八百万の神宿る神聖な鎮守の杜を片っ端から破壊し、聖なる大地を換金し、邪教徒に売り渡した大罪が何を生んだかまだ解らぬようだ。
巨木の下にはその歳月だけ精霊が満ちている。
聖なる結界が張られ、いかなる邪教の侵入をも防いできた。
それ故、その地営む民は見えざる神の手によって安らぎを享受出来た。それがこの國を何千年と豊かに守ってきた最大の霊力だ。
何人も犯しては成ならぬ絶対的存在がそこにある。
霊力を失った地に豊かさと安らぎはない。
その結果どうなるか?
八百万の神去りし荒廃した地には邪教の呪われた禍々しい悪意が取りつき、人々を狡猾で野蛮で利己的な拝金の奴隷へと貶めて人を相争わせ憎悪を増幅させただけではないか。
コンクリート焼却炉のタコ壷のような「マンション」と称する墓石に法外な値を付け人々の富を奪っていく。そんな空気しか入っていないセメントの穴に恰も価値が在るかのように欺くのも躊躇わなくなる。
そんなものは一度大地が大きく揺れれば瓦礫の山。
虚構と欺瞞に支えられた偽の大地に神の慈悲は存在し得ない。
人々は何も生まなくなった呪われた大地の上で、ただ既得権益に縋り付き、未来への建設的希望も放棄してお互い憎悪しあうことに終始する。
そんな地に生まれてきた子は邪教の悪意そのままに狂気に取りつかれ人を殺めることに何ら躊躇いも持たなくなった。
秩序と安全は喪失し、憎しみだけがその荒廃した大地に蔓延した。邪教徒はそれを狡猾に利用し我々から全てを奪おうと画策してきたのだ。
あのバブル期の法外な価格の土地はどうなった?巨万の富で潤うはずだった拝金信者はどうした?
手元に残ったのは荒れ果てた更地と巨額な債務。そしてその土地を差し押えに来た連中は、かつてこの聖なる地に金が成ると嗾けてきた国際金融機関の邪教徒共だ。
まんまと一杯食わされた訳だ。だが今更足掻いたってもう遅い。
そんなことは最初から解っていた事だろ。

さあ、そのケヤキを伐るがよかろう。
伐採した瞬間から、お前達の真上から禍々しい魔物が降り掛かり、自らの手によって己を滅ぼすことになろう。
神を失った民に与えられる御褒美は死だ。
地獄で後悔するがよい。


絶望皇太子