transistasis
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2001年04月14日(土) 死のみが勝利する現世

穏やかなりし天候がつづく4月。
新緑燃える帝都の朝。
だが我心暗く、その闇は一寸の先すら見ること出来ず。
どんよりとした何か目に見えぬ黒いものが頭上にのしかかる。
闇から声が咆哮する。
「腐葬恐敗悲死病苦闇!!」
あらいる禍々しい言葉がその闇の中から逆流し全ての希望を汚染する。
絶望!絶望!絶望!
日々、不安と恐怖が支配する中、確実な情報といえば誰かの訃報。
「あの人が死にました」「この人が死にました」
死だけが確実に忍び寄る。
逃げても逃げても死は闇の闇から這い出して取り付こうとする。
死のみが勝利する現世に死以外凡て虚無である。

脂肪細胞からあらいる器官を再生出来るという報告が米医学界で発表されたという。
自らの手によって人造人間創造の手段がまた一つ解明された。
残るは『ガフの部屋』より魂を受け取る事。
人類補完計画。
水面下では世界各地で『超越した存在』のサルベージと覚醒と解放が試みられているという。
だが今だ確実な成功例は報告されていない。
神を覚醒させる業。
この計画完遂なくして人は死からの解放はありえない。
永遠の生命。不要な身体を捨て、魂を新たなステージに。
その時が約束の日となる。


絶望皇太子