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2001年06月08日(金) 夢の欠片も無き時代

NHKTV『プロジェクトX』で純日本国産ロケットH-2開発を取り上げているのを見る。
昭和30年代、秋田の海岸でおもちゃみたいなロケットを飛ばしていた男達が夢を現実化させる国家プロジェクトに参加出来たあの時代とは何だったのか?
夢を現実化出来た時代。
月へ行こうと思い立ったら本当に月へ行けてしまう時代。
男が男でいられた時代。その影には婦女子たちの献身的な支えが不可欠だったという。プロジェクト実践者のほとんどは世帯持ち。何も特殊な環境にいた特殊な男ではない。
男が夢に夢中になっても生活出来たのだ。
だがそんなロマンに満ちた時代は過去のもの。
今、男が夢を抱いてもそれを支える婦女子など何処にもいない。夢は妄想と消え何一つこの世界で現実化されることはなく朽ち果てるのみ。
誰かが言う。
「ロマンは女性の犠牲のもとに成り立っているからそんな犠牲はもう御免」と。
そして婦女子たちは自由を獲得し、気の毒な男達は絶望に死ぬのである。
献身なき時代に未来はない。
もはや希望の欠片さえみつけることはないのだ。


絶望皇太子