縁側日記  林帯刀





2005年08月01日(月)  砂漠。


夏休みのおおかたは登校日頃(八月に入ったころ)までに
濃縮されている気がする。
そこから後は、こう、余韻みたいなもの。

なにしろ、宿題をどれだけ早くやり終えるかが勝負だった。
楽しみは後にとっておきたい。
寿司の好きなネタは一番最後に食べる。





砂漠。
風に巻き上げられる。
砂はどこかへ飛んでいく。
さらさらと形が変わる。
人間やラクダの足を埋める。
彼は渇いている。

泉。
湧き上がる水。
絶え間なくにじみだす。
オアシスのまわりには植物が生えている。
それでも水はあふれている。
彼女は苦痛を感じている。

あふれた水は砂を見つける。
流れつく。
そして吸い込まれる。
彼は水によって渇きを癒し
彼女は砂によってあふれ続ける苦痛を癒す。

ギブ
アンドテイク

世界に限りなく存在するギブとテイク。





でも世界のすべてがギブアンドテイクだと思うのはまちがい。





「さあ、渇きを癒すがよい」と剣を作った老人は言った。




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