どうにかこうにか、生きていて。 悩みのなさそうな顔をして、毎日をやり過ごしています。 今は現実から逃げるように、実家に世話になっています。
結局、るうは元の病院に移しました。 信頼できる鳥の専門医です。 先生は、大げさなギプスだと軽く笑った後。 片手でかるくるうをつかみ、器用にはさみで取り除きました。 やっぱり、早くにつれていくべきでした。 脚は曲がったままついてしまっていたのです。 父も、動物病院も、最善を尽くしてくれました。 だけど。 それは、彼らにできる範囲のことで。 るうにとっての最善では、なかったのかもしれない。 今はとても元気にしていて。 怪我なんてしていないかのように、暴れて、甘えて。 それでも、差し出した手にかみつくその痛みに。 やりきれない思いがこみ上げてくる。 人の手を恐がるほど、大変な思いをしてきたんだ。 あんなに手の上の好きな子だったのに。
明日は、自分の病院へ。 なやみをひとつ、減らしに行ってきます。
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