たしか、太鼓を叩いている舞台から、バチがとんできた。 叩いている人が、叩くのに勢いづいてしまって、えいやー!という感じでとんできた。 バチは、私が見ていた真横にとんできた。 それにはなぜか、火がついていた。たいまつのように。 みんな慌てて逃げる。 まだそんなに、ぼうぼうとついていたわけではないんだけれど、一応というか、本当にみんな慌てて逃げた。
私は逃げながら、置いてきた自分の荷物を思って悲しくなった。 「火事だぁ!」って叫んでいる人もいたけど、全然、すぐ消える火だったと思う。 そう思いながらも、一生懸命逃げた。
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